出版社内容情報
十年を費した『純粋理性批判』の根本思想を、分かりやすく簡潔に説明しようとしたカント哲学への入口。
目次
プロレゴーメナ
人倫の形而上学の基礎づけ
著者等紹介
カント[カント][Kant,Immanuel]
1724~1804。ドイツの哲学者。東プロイセンの首都ケーニヒスベルク(現カリーニングラード)に生まれる。大学卒業後ほぼ10年、家庭教師をしながら勉学を続けた後、ケーニヒスベルク大学私講師をへて正教授となる。長い沈黙ののちに『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の三つの批判書を著す。近代人の思想と行動を律すべき「理性」の基本的輪郭を素描し、以後ロマン派から今日に至る哲学的思索へと道を開いた
土岐邦夫[トキクニオ]
1929年(昭和4年)長崎市生まれ。京都大学文学部哲学科卒。岡山大学教授をへて名誉教授。1999年(平成11年)逝去
観山雪陽[ミヤマセツヨウ]
1929年(昭和4年)京都市生まれ。京都大学文学部哲学科卒。滋賀大学、富山大学教授を歴任。富山大学名誉教授
野田又夫[ノダマタオ]
1910年(明治43年)大阪府生まれ。京都帝国大学文学部哲学科卒。京都大学・甲南女子大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
41
「プロレゴーメナ」は『純粋理性批判』の、「人倫の形而上学の基礎づけ」は『実践理性批判』の解題となっています。とはいえ、両批判書に何が書かれているのか全く分からなかった当時の読者には有難かっただけで、分かり易く書かれているかというと全くそうではありません。前者は『純粋理性批判』第1版の後に書かれ、第2版の改定の際に影響を与えているとされています。後者は光文社新古典新訳文庫にあり、小見出しが付いていてそちらの方が読み易いので、試しに本書を読んでみようというのはやめた方が良いかと思います。2022/06/21
しんすけ
23
後半の『人倫の形而上学の基礎づけ』は、人間カントを知るためのに、最初に読むべき本だと思った。 長い期間にわたってカントを論理哲学者として捉えていた。 この数年、J・S・ミルやジョン・ロールズに眼を通す機会が増え、カントの道徳の意義を識るようになっている。 『純粋理性批判』が、カントの重要な著作であり、それを簡明に説こうした『プロレゴメナ』も重要な著作であることは、いまも疑ってはいない。 だが人間カントを知るためには、道徳に関した著書を読む必要が、あるのではないだろうか。2023/03/06
しんすけ
17
今回は後半の『人倫の形而上学の基礎づけ』だけを読んだ。それも筆写と表現できるスタイルで読んでいた。重要と思われる箇所をテキストファイルとして書き写していた。結果としては注記以外はすべて書き写してしまった。 その結果、面白いことが解った。この本自体は五十数年前に読んでいることが明らかになったのだ。 本書の奥付には2005年3月1日となっているが、1965年頃に出されれたもののリメイクだった。それに気づいたの今でも残る下記に出会ったからだった。2024/04/08
いとう・しんご singoito2
8
「哲」分欠乏につき借りてきました。巻頭解説のお奨め通り「基礎づけ」から読みましたが、これで正解。有名な定言命法の説明や、それらがなぜ経験を捨象したア・プリオリな理性に基礎づけられねばならないか、と言うお話は説得的。そのうえで「純粋理性批判」をかいつまんだ「プロ」を読むと、悟性のカテゴリーとアポリアの理論でア・プリオリな認識を厳密に切り分けようとしたカントの意図が良く分ってきたのでした。カント入門には好適書かも。2024/03/28
Bevel
4
プ:時間的空間的に規定された直観に対して、悟性がいくつかのパターンにおいて作用し、経験というものが可能になる。そしてその経験に制限される形で、理性が理念を作り出すそのときにだけ、かろうじて形而上学は可能であるだろう。とまとめてみた。人倫:部分的に理解できるところはあったけれど、全体としてまとまらない。たぶんちゃんと読めてない。利口の命法が気になった。そして法則に「服従するとともにまたみずから法則を与え」てこそ倫理的だという命題は、すごく考えさせられた。2009/11/15
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