内容説明
詩と思索のめくるめく融合。説き明かされるニーチェ思想の核心「永劫回帰」。
目次
さすらいびと
幻影と謎
望まぬ至福
日の出前
卑小化する徳
橄欖の山
通過
離反者
帰郷
三つの悪〔ほか〕
著者等紹介
ニーチェ[ニーチェ][Nietzsche,Friedrich Wilhelm]
1844~1900。ドイツの思想家。古典文献学者として出発し、バーゼル大学教授に招聘された。ショーペンハウアーの影響を受け、またワーグナーと交際、『悲劇の誕生』を出版する。のちワーグナーと訣別、大学を辞職し、ヨーロッパ文明、キリスト教批判を深め、「力への意志」「永劫回帰」「神の死」「超人」「ニヒリズム」などの言葉によって知られる思想を、アフォリズムと詩的表現を駆使して展開した
手塚富雄[テズカトミオ]
1903年(明治36年)宇都宮市生まれ。東京帝国大学独文科を卒業と同時に旧制松本高校教授となる。1943年から64年まで東京大学文学部でドイツ近代抒情詩を講義する。東京大学名誉教授。文化功労者。1983年(昭和58年)逝去
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感想・レビュー
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syaori
51
「打ち砕け」、神や他者に依拠した価値観を。ツァラトゥストラは叫ぶ。そして「自身に自分の意志を吹き込」む、つまりは自分で価値や道を創造する者になれ、と。同時に彼はそんな生を、世界を肯定する。生の中にある「奪うと殺すとの要素」や世界の中の「多くの汚物」を含めて。なぜならその生の残酷さが、汚物への嘔気が「翼をつくり出し、泉を求める力を生み出すのだ」から。高く高く、自分を人間を超えて高く。そんな思いに導かれ辿り着く永劫に回帰する世界の甘美さを、苦と繋がったそれを肯定するあの声を、忘れることはできそうにありません。2019/05/16
はなよ
5
読み終わった時になぜか感動した。 私も「よし、もう一度!」と言いながら、何回繰り返してもいいような人生をおくりたいと思う2017/08/07
sun
3
ニーチェはワーグナー、ヒトラーと続く。超人という存在に騙される。宗教や哲学は花のように人をとらえ、政治に利用される。若い頃、古今東西の宗教のエッセンスを頭に入れ、実体験もした。つまるところ、創始者が悟りを開いていた(超人)か偽物か、代が替れば分派して、金集め目的。ニーチェはこの本読む限り、偽物。本物は文字にしない。語るだけだ。ワーグナーの「マイスタージンガー」は音楽好きとして大好きな楽劇だが、造られた思想を知ると複雑な想いがする。ツァラトゥストラは若い頃読んだが、この翻訳はやさしい2013/07/12
ichioka
0
読んだ...とは言えない。字面を追っただけ。何もねぇ。2014/04/24
トイ
0
詩の部分はほとんどわからなかった。四部はけっこう興味深い展開が多かった2012/10/08