目次
方法序説
哲学の原理
世界論
著者等紹介
デカルト[デカルト][Descartes,Ren´e]
1596~1650。フランスの哲学者、数学者。数学的明証性を学問的認識の模範と考え、あらゆる不合理を批判検討する立場を確立した。そのことによってしばしば近代哲学の父といわれる
野田又夫[ノダマタオ]
1910年(明治43年)大阪府生まれ。京都帝国大学文学部哲学科卒。京都大学・甲南女子大学名誉教授
井上庄七[イノウエショウシチ]
1924年(大正13年)大阪府生まれ。京都帝国大学文学部哲学科卒。西洋哲学史専攻。1987年(昭和62年)逝去
水野和久[ミズノカズヒサ]
1932年(昭和7年)兵庫県生まれ。京都大学大学院博士課程(哲学専攻)満期終了。神戸大学名誉教授。現在、関西福祉科学大学教授
神野慧一郎[カミノケイイチロウ]
1932年(昭和7年)長崎県生まれ。京都大学文学部哲学科卒。同大学大学院博士課程修了。大阪市立大学名誉教授
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感想・レビュー
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空箱零士
11
デカルトが近代哲学にもたらした貢献は「この世界が証明に値することを証明した」ことに尽きるのではないかと思う。「コギト・エルゴ・スム」はあくまで「神の存在証明」に至る手段で、完全性を有する神が存在することを証明したことで真理性の存在を証明したのである。現代から見れば「神」の存在そのものが疑わしく、「自我」の絶対性すら危ぶまれるが、ここで僕が思うのはそもそもデカルトが見出したのは本当に「神」なのか、正確には「神としか表現出来ないものか」ということだ。それはもっとシンプルに表現出来なかったか。例えば「世界」と。2014/09/29
Yuki2018
5
想像していたより難解ではなく、現代人からすると寧ろ当たり前のことが延々と書かれているように感じる。しかし16世紀のヨーロッパで、自分の頭で考え、自分の言葉で独創的な哲学を築く(従ってラテン語でなくフランス語で書かれている)こと自体が、斬新かつリスクのある行為だったのだろう。近世哲学の祖としての評価もその辺りにあると理解。加相当の決意が必要だったようだし、色々と保険をかけているような表現が散見されるのも面白い。加えて、強烈な知性や好奇心が感じられる。現代なら哲学より物理学を専攻しているでしょうね。2025/02/08
inami
3
◉読書 ★3 デカルトの哲学全体の内容の見当→「哲学の原理」の序文が便利→「哲学」という語が知恵の探求を意味すること。知恵とは、たんに実生活における分別をさすばかりでなく、人間の知りうるあらゆることについての完全な知識・・自分の生活の指導のためにも、健康の保持やあらゆる技術の発明のためにも役立つような知識・・をもさす。この知識がこれらの目的に役立つものであるためには、それが第一原因から導き出されることが必要であり、したがって、こういう知識の獲得に務める・・これが本来、哲学すると名づけられること・・ふ〜〜っ2017/07/03
肉欲棒太郎
2
方法的懐疑やコギト・エルゴ・スムなどは有名だが、個人的には、運動の基本的な形は円運動ではなく直線運動であるという観点が興味深かった。レオナルド・ダ・ヴィンチを読んだときも思ったことだが、神学と科学は矛盾しないし、それどころか恐らく両者のモチーフは案外近いところにあるのだろう。2016/10/17
ユカ
2
一番、読みこんだのは冒頭の訳者:神野氏の解説ですが^^;、有名な「我思う故に我あり」は、その内容ではなく完全性に、その美しさに、つい涙ぐむほど。これくらいゆるぎないものを、人生で得たいものだ。真理を求めたいわけではなく、この恥ずかしさのない、堂々と出せる芯。柱。信条。ちなみに数学の辺りは読みとばし・・・ムリ。2014/05/18