出版社内容情報
第三次地政学ブームは、アメリカの経済界が火付け役だったように、今、ビジネスを展開するためには戦略論の理解が不可欠だ。
地政学の第一人者が、古典から現代までの戦略論を概観。世界のリスクを予見するための基礎を伝授する。
人類は今もなお戦禍の中にいる。
戦後80年、日本では戦略論はタブーとされてきたが、平和を願うだけでは見えないことがあるのだ。
自衛隊幹部学校の講義録をベースにした戦略論入門の決定版。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
バルジ
8
良書。戦略論に興味のある人はまずこの一冊から始めるべき。本書はクラウゼヴィッツや孫子から始まり戦略家の心得を説く章で終わるが、読みやすい文章ながら戦略論の奥深さを十分に堪能できる構成となっている。殊に興味深いのは相手へのコストを化す摩擦と「相手も一票を持っている」というリアクションである。こちらが動けば当然相手もそれに反応する。その反応は予想通りでも予想外でもあり得る。そこで重要なのが戦略文化という戦略を規定する土台となる各国の文化や気風である。これらを重視しない戦略家は戦略家たり得ないであろう。2026/10/23
金吾庄左ェ門
6
戦略論とか地政学と難しく考えずに安全保障論の基本がわかりやすく書かれていると考えてください。孫子とクラウゼヴィッツとでは考え方が大きく違うがいずれも正しい事を言っていたり、地政学はナチス絡みなのでしばらく封印されてたという事を知るだけでも大きな収穫になるでしょう。陸海空の戦力が三位一体になるのは当然としても、国民がそれを支持する熱意が必要というのも納得です。核があるから安心というのも間違いですが常に選択肢として存在しているのも効果的なようです。2026/10/11
おこげ
4
入門というだけあって難解さは全くない。戦略論自体は政治や経営など適用範囲の広い学問と思うが、本書では著者の専門を反映して軍事・安全保障を扱うある種あるトラディショナルな戦略論を扱う。クラウゼヴィッツの「戦争論」を下敷きに、戦争の歴史を重ねることで重要な概念を生み出し、発展してきた戦略論史的が興味深かった。冷戦が「抑止理論」を生み出したように、ウクライナ侵攻、中東情勢の緊迫化や台湾海峡を巡る緊張といった状況が、戦略論の発展を強力に推し進めているのが残念ではある。2026/10/24
O次郎
4
戦略論の考え方をコンパクトに知れて面白かった。特に「戦略文化」については敵か味方かで考えてしまいやすい日本人とって必要な考え方だと思うし、自衛隊幹部に「中国マニア」がほとんどいないという実態への批判にも頷ける。本書は一貫してリアリズムの立場から記されており、「想定外」に備えた軍備や戦争を「巻き込まれる可能性のあるもの」として捉える必要性には肯首する。ただ、カーはリアリズムと同時に理想主義の重要性も指摘している。それに比べると本書はリベラリズム的な理想を腐すだけで終わっていたように感じた点が気になった2026/10/11
茶幸才斎
3
戦争に勝つ知恵としての「戦略」について、その橋頭堡を築いたクラウゼヴィッツ『戦争論』を入口に、戦略文化、地政学とランドパワー、シーパワーとエアパワー、核戦略、宇宙とサイバー空間といったキーワードを挙げ解説した後、戦略家たる者の心得を述べた本。相手の動きを掌握し、こちらの優位を保つには、何より「人」を正しく理解し読み解く力が重要で、相手の意図を読み違えたときに事態は悪化する。求められるのは人の心理を基礎としたインテリジェンスである。AIでもなく、ましてやTI(Trump Intelligence)でもない。2026/10/14




