中公新書ラクレ<br> 西洋絵画のお約束―カラー版 謎を解く50のキーワード

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中公新書ラクレ
西洋絵画のお約束―カラー版 謎を解く50のキーワード

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121508225
  • NDC分類 723
  • Cコード C1295

出版社内容情報

絵画に描かれた美女が誰か、あなたは即座にわかるだろうか。そばに薔薇があればヴィーナス。百合が添えられていればマリア。皿を捧げていればサロメ。剣を携えていればユーディト。ちょっとした知識があれば、隠された画家からのメッセージを探りあてることができる。「見て・感じる」だけではわからない、絵を読み解く手がかりをテーマ別に解説。この本を読めば、鑑賞体験はもっと豊かなものになる。図版120点収録。



本文より

印象派が登場する前までは絵にも意味があり、読み解くための「絵の言語」があった。(中略)絵独自の言語を読むことで、人々は画面に見えているものだけではなく、その奥に隠された画家からのメッセージを探りあてた。日本人には西洋的思考を完全に理解するのは難しいが、シンボルのいくつかを覚えておくだけでも、絵画鑑賞はぐんと楽しくなるに違いない。



目次

【「植物」の章 】薔薇/百合/リンゴ/月桂樹/イトスギ

【「天体・自然」の章】月/虹/川

【「動物・虫」の章】黒猫/テン/牡牛/蛇/ハエ/蝶

【「食べ物」の章】卵/蜂蜜/魚

【「相反する要素」の章】赤と青/右と左/分かれ道

【「武具」の章】剣/大鎌/矢/ハンマー

【「道具・装飾品・楽器」の章】天秤/十字架/鏡/甕/子供服/真珠/リュート/シャボン玉

【「建物」の章】窓/梯/井戸

【「技法」の章】擬人像/画中画/異時同図法/タイムスリップ

【「現象」の章】パンデミック/天を仰ぐ/運命

【「人物描写」の章】道化/三美神/聖母マリア

【「身体」の章】母乳/骸骨/髪/翼/目隠し

内容説明

あなたが見る絵の真実を、読み解くための50の手がかり。図版120点収録。知識があれば、絵画鑑賞はもっと楽しい!

目次

「植物」の章
「天体・自然」の章
「動物・虫」の章
「食べ物」の章
「相反する要素」の章
「武具」の章
「道具・装飾品・楽器」の章
「建物」の章
「技法」の章
「現象」の章
「人物描写」の章
「身体」の章

著者等紹介

中野京子[ナカノキョウコ]
作家・ドイツ文学者。2017年「怖い絵展」特別監修者。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに、絵画エッセイや歴史解説書を多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

113
絵のための言語として、植物/動物/食べ物/現象など50のキーワードについて、それらの根拠となった聖書やギリシャ神話の逸話なども紹介しながら、その奥に隠された画家のメッセージを探るという中野さんらしい楽しい読み物。こうやって解説されると分かった気になるが、作品と向き合って自分でアトリビュートを発見できるかと言われたら、そういう絵画的教養に乏しい自分が情けない。更に、糸杉には「生と豊饒」と「死と喪」、鏡には「賢明・真実」と「虚栄・傲慢」などというように両極の意味が備わっているものも多く、解釈はなかなか難しい。2024/11/24

アキ

95
アトリビュートやアレゴリーなど西洋絵画にはお約束が多い。特に美女の裸体を描く依頼主の言い訳に使われてきた気もしないではない。ボッティテェルリ「ヴィーナスの誕生」には薔薇を、「パリスの審判」には黄金のリンゴ、ジェラール「プシュケとアモル」には蝶を配して、神話を示している。母乳もメタファーになるのは笑えます。プラド美術館「聖ベルナルドゥスと聖母」ではマリアの乳から白髪の老人の口に一直線に母乳が飛び込んでいます。ゼウスが息子にヘラの乳を吸わせ、その乳が天上に行くと天の川となり、下界に行くと百合ができる、らしい。2024/10/13

sin

56
白は源氏の旗印、赤は平家の旗印であったからといっての小学校の運動会の紅組白組や大晦日の紅白歌合戦に源平合戦からの由来を見る人は少ないだろうが、赤と白の対立構造は多くの日本人に染み付いているのではないだろうか?そういった決まり事は西洋絵画を鑑賞する際に於いてもその背景を理解する約束事として存在しているらしい。但し十九世紀後半に印象派が登場する前までの西洋絵画であるらしいが、読み解くための「絵の言語」があることは大変に興味深いし、描かれた背景を知ることで絵の見方が変わるのは確かだ。2024/11/27

はな

31
印象派が登場する前までは絵にも意味があり、読み解くための「絵の言語」を絵画を紹介しながら読み解いていく。中野京子さんの安定の面白さ。近日中に西洋美術館にいくので、役立てるかしら。楽しみ。2024/11/06

Shun

30
中野京子さん解説の西洋絵画。神話や宗教と密接に繋がり発展していった西洋絵画を読み解く上で必要な知識を網羅する。これまでの絵画シリーズでもお馴染みの手法で名画と共に解説を入れていくのだが、絵画に描かれたモチーフやキーワードに焦点を当てている点が新しい。例えばリンゴや月桂樹が象徴するものであったり、薔薇や剣といったアトリビュートから描かれている人物を判断する等の知識が得られます。また日本人には馴染みのない”概念”の擬人化は興味深い。見慣れたあの絵の女性が”自由”の擬人像だったとは、意味が分かればより面白い。2024/12/07

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