中公新書ラクレ<br> 世紀の落球―「戦犯」と呼ばれた男たちのその後

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中公新書ラクレ
世紀の落球―「戦犯」と呼ばれた男たちのその後

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121506979
  • NDC分類 783.7
  • Cコード C1275

出版社内容情報

北京五輪の野球日本代表となったG.G.佐藤。今も語り継がれる高校野球星稜・箕島戦の星稜一塁手加藤直樹。最終戦で敗れ、巨人のV9を阻止できなかった阪神の池田純一中堅手。彼らは、大事な試合で大きなミスを犯したとして、ファンやマスコミから非難を浴び、人生が暗転した。理不尽なバッシングとどう戦い、そして立ち直ったのか。「落球」の烙印を背負った男たちの「その後」を辿るスポーツノンフィクション。

内容説明

「箕島×星稜延長十八回の一塁手」と言えば、野球好きの人ならピンとくるかもしれない。大試合で落球し、チームも敗北したことで、「戦犯」の烙印を押されてしまった選手たち。高校野球の全国大会、プロ野球伝統の一戦、日本代表として挑んだ五輪の舞台…たった一つのプレーが彼らの人生を狂わせた。ファンから、マスコミから、強烈なバッシングを受けた三人の選手は、失意のどん底からいかに立ち直ったか。彼らの「その後」を追った。

目次

第1章 また落球する運命でももう一度五輪に出たいです G.G.佐藤―2008年8月23日五〓松野球場(中国北京)北京五輪3位決定戦 米国×日本(挫折のアマチュア時代;西武の主軸打者へ ほか)
第2章 野球の神様はなぜ俺をあの場面で転倒させたのか 加藤直樹―1979年8月16日甲子園球場 全国高校野球選手権大会三回戦 箕島×星稜(「今も立ち直っていませんよ」;箕島の胸を借りるつもりだった ほか)
第3章 「これが私の人生です」30年後に見つけた答え 池田純一―1973年8月5日甲子園球場 セ・リーグ 阪神×巨人 一八回戦(意外性のある打者;巨人戦で打つのがうれしかった ほか)
第4章 ミスのあとの人生をどう生きるか(プロ野球が草野球に転じる瞬間;球史に残る落球 ほか)

著者等紹介

澤宮優[サワミヤユウ]
1964年熊本県生まれ。ノンフィクション作家。青山学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒。日本文藝家協会会員。陽の当たらない場所で懸命に生きる人物に光を当てることをテーマに、スポーツから歴史、文学まで幅広い分野で執筆。2003年刊行の『巨人軍最強の捕手』で戦前の巨人軍の名捕手吉原正喜の生涯を描き、第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ma-bo

61
野球好きの方なら、G.G佐藤選手、加藤選手(星稜高)、池田選手(阪神)の落球は映像、もしくは雑誌や本等で目にしたことはあろう。本書はご本人達が悔い、悩み、心ない中傷からどう立ち直ってきたのか、周りの仲間や家族がどう向き合ってきたのかを綿密な取材で書き記した良書。2020/09/17

たいぱぱ

60
「人生にエラーはつきものだ。大事なことはその後をどう生きるかだ」僕が小中学生の頃に興奮しながらテレビで観ていた「落球」が忘れられない2試合が取り上げらてるだけでもう泣ける。甲子園伝説の名勝負、箕島対星稜戦で落球した加藤直樹さんのその後が想像よりも辛く厳しいものだった…。敵将であった箕島の故・尾藤監督が加藤さんを支えてなんて話には号泣しかありません。桑田清原がいたPL対都城戦でのサヨナラエラーをしてしまった都城の隈崎さんのその後は40年間も気になってました。それが知れただけでこの本を読む価値がありました。2025/07/13

金吾

30
○有名な落球の3名の話ですが、本人の苦悩と克服、周りの態度がよくわかりました。特に加藤選手と尾藤監督の話は良かったです。2022/05/16

マッちゃま

25
スポーツに失策は付き物。ただ勝負を決する様なエラーは永く語られる。そんなエラーをしてしまった3人のその後の人生を追ったのが本書。誰かて好きでエラーする人は居ない。エラー後もミスした分を取り返そうと懸命に彼らはプレイをした。だが世間から取り上げられるのはエラー。悩み悔み、時には人間不信に陥り乍も少しずつ前を向いて進め出せた姿を、あの時にあの後も罵倒した人達にも著者は知ってもらいたかったのだろう。あとがきでも触れられた木村花さんの事も含めて、誰もが意見を言える平和な世の中である事に感謝しながら考えていきたい。2020/08/19

小木ハム

24
大事な場面で痛恨のエラーを冒してしまった選手三名の当時の状況とその後の人生を丹念に取材されている。人間には、一度ついてしまった味噌を何年もなじり続けるクソみたいな習性がある。それまでの功績は悉く無視され、何度も"戦犯"として蒸し返される姿には読んでいる側も苦しくなった。実家への誹謗中傷の電話、家族への『今どんな気持ち?』インタビュー。引退後も執拗に追いかけてくるマスコミ。たとえ石が小さくても、投げつける人間が百人も千人もいればその人は死んでしまう。そうした想像力の働く人が一人でも増えてほしいと願います。2022/11/21

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