中公新書ラクレ<br> 日中の失敗の本質―新時代の中国との付き合い方

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中公新書ラクレ
日中の失敗の本質―新時代の中国との付き合い方

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121506481
  • NDC分類 319.102
  • Cコード C1231

出版社内容情報

世界全体が大きな転換期に入った。トランプ流の「商売外交」は「アメリカの時代」の終わりの始まりなのか? 米中は衝突のコースを歩み始める中、習近平の「2050年 中国の夢」は何を目指しているのか? 米中対立が激化する中、日本の戦略とは?

習近平の中国への観測が国際社会の喫緊の課題となった今、習近平の中国を知り尽くした元大使が日中米の最新動向を追い、「苦闘する超大国の実情」を分析したインテリジェンス・レポート。

内容説明

米中が衝突のコースを歩み始めた中、不確定で不愉快な外交リスクが浮上。トランプの登場は「アメリカの時代」の終わりの始まりなのか?習近平が謳い上げた「中国の夢」「一帯一路」をどう読むか?21世紀に入り、日中はともに相手国の把握に「失敗」してきた。私たちは中国が直面する危ういジレンマを認識した上で、そろそろ新時代にふさわしい付き合い方を構想すべきである。「習近平の中国」を知り尽くした元大使によるインテリジェンス・レポート。

目次

第1章 われわれは歴史から何を学ぶのか
第2章 われわれは今どういう世界に住んでいるのか
第3章 「習近平の中国」は何を目指しているのか
第4章 「習近平外交」は生成発展の過程にある
第5章 日中関係の本質的な変化
第6章 新時代の対中新思考と日本の戦略
第7章 平和で安定した日中関係の構築

著者等紹介

宮本雄二[ミヤモトユウジ]
1946年福岡県生まれ。日本日中関係学会会長、宮本アジア研究所代表、日中友好会館会長代行。69年外務省入省。欧亜局ソヴィエト連邦課首席事務官、国際連合局軍縮課長、アジア局中国課長、軍備管理・科学審議官、駐アトランタ日本国総領事、駐ミャンマー連邦日本国特命全権大使、沖縄担当大使など歴任したのち、2006‐10年、駐中華人民共和国日本国特命全権大使。10年に退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

13
日中関係について国際政治学の視点から議論する。日中と言いつつトランプ外交について相当の紙幅を割いているのは、現在のファーウェイ問題などを見ても納得。中国をグローバル経済の中で全面的に孤立させることは不可能であるということ、中国が現在の国際秩序を擁護する立場を示しており、「普遍的価値」を否定しているわけではないという指摘に注目すべき。2019/05/28

nagoyan

12
優。論旨は。。。やや、散漫に流れて主意がつかみにくい。どうも多方面に気を配りすぎて、主張が弱くなっているようだ。論者は冷戦後の日中関係の失敗は、相互の位置づけを失敗したことと考えている。中国の姿勢に不安を感じつつも、中国の大国化は避け得ない現実であり、いかに中国をリベラルな国際秩序に組み込むかが重要とする。そのためには、トランプ流のやり方は逆効果で、日本が果たすべき役割は大きいとする。2019/03/15

Hatann

8
歴史を学び、世界の現状を把握したうえで、中国の現状を理解し、新時代の中国との付き合い方を考える必要がある。先の大戦における日本の失敗は、中国のナショナリズム及び米国の国際政治経済への影響力を過小評価したことにある。現在の中国は、国際的には「中国モデル」を提示して影響力を獲得する、国内的には民意の支持による共産党支配の正当性を維持することを目指す。日本は、市民社会の相対的な成熟事例をもとに国内問題処理のモデルを提示しつつ、地域的な安全保障・経済協力体制のために中国と共創すべきとする。あとがきで困難に触れる。2019/04/03

路地裏のオヤジ

5
戦前日本が中国の民族主義を軽んじて泥沼にはまる判断ミスを背景や原因を分析し、二度と同じ轍を踏んではならないと考えさせられる本であった。日本を訪れる中国人が今の日本に、格差の少ない、環境問題を重視し、社会保障や医療制度の整った自分たちの「夢」が実現できているということを感じて帰国しているということに驚いた。そうした人たちが増えて関係がもっとよくなればと思う。2019/09/07

省事

2
世界は台頭する中国を敵視しても意味はなく、日中双方が現行の国際秩序から恩恵を得ている自覚を持ち、共存共栄を目指すべきという論旨。特に日本はトランプ政権に振り回される米中関係を掣肘すべきであり、中国が暴走しないよう目を配るべきとする。エンゲージメントとコンテインメントを組み合わせた新語「コンゲージメント」を思い起こす論説。2017年の前著より平易だが、日中関係の現状を確認できる有益な一冊になっている。ただ分析ではなく、提言の問題になると東・南シナ海での中国の行動をどう押さえられるのか答えがないのが気になる。2020/05/29

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