中公新書ラクレ<br> 上皇の日本史

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中公新書ラクレ
上皇の日本史

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  • サイズ 新書判/ページ数 304p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121506306
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C1221

出版社内容情報

2019年、江戸時代の光格天皇以来、200年ぶりの譲位が行われる。長い天皇の歴史のなかで、「上皇」という存在は、どのような政治的、制度的、社会的な役割を担ってきたのか? その誕生から今日まで、歴史のなかの上皇を、第一人者の人気歴史学者が徹底解説する。

本郷和人[ホンゴウカズト]
著・文・その他

内容説明

外国では、退位した王・皇帝に特別な呼称は用いない。ところが日本では、退位した天皇は「上皇」と呼ばれ、ときに政治の実権を掌握してきた。上皇による政治=「院政」という言葉は、引退しても権力を手放さない実力者のあり方を指す表現にもなっている。では「上皇」とは、どのような存在だったのか?二百年ぶりの天皇譲位を前に、上皇の歴史を辿り、現代における天皇・皇室、そして日本と日本人を考えるための視座を提示する。

目次

第1章 「ヤマト」の時代~平安朝
第2章 上皇による専制―白河・鳥羽・後白河
第3章 専制からシステムへ―承久の乱がもたらしたもの
第4章 朝廷と幕府―後嵯峨上皇の院政を例に
第5章 古文書から読み解く院政―官宣旨から院宣へ
第6章 上皇による徳政の変容―両統迭立期~南北朝
第7章 存在を脅かされる天皇・上皇―バサラ・義満・信長
第8章 権威としての復活
終章 近代天皇制の中で―終身在位する天皇

著者等紹介

本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。文学博士。東京大学、同大学院で、石井進氏、五味文彦氏に師事。専攻は日本中世政治史、古文書学。『大日本史料』の編纂に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

56
帯の200年ぶりの天皇譲位という言葉に驚きました。最後に譲位があってから、それだけ経っているんですね。著者が幾度も述べている日本ではタテマエよりもホンネ。地位よりも人物、は院政をしく上皇を象徴してますね。院政を支えた中級貴族の実務官についてなど新たな視点で歴史を見られました。皇統は足利義満の時代よりも、織田信長の時の方が危機的状況だったというのも面白く説得力を感じました。明治以降については、編集者の質問に答える形での著述。まだまだ書きにくいテーマなんでしょうね…2018/09/21

chisarunn

10
平成が終わって天皇陛下が上皇陛下になられた時、それって昔の「ゴシラカワ」とか「ゴダイゴ」とかとどう違うの?って反射的に考えませんでした?いやいや、今は天皇陛下が政治を廻してらっしゃる訳じゃないから違って当然ですけど。でも理路整然と説明できないよね。そこでこのご本!昔の上皇陛下がいつ頃からどういう風に統治してらして、それはなぜなくなったのかわかりやすく、面白い文章で丁寧に説明されている。そうか、院政ってこういうことだったんだ、とわりかし(ほかの時代よりは)知ってるつもりだった自分もいっそう理解が深まった。2022/06/13

うろん

8
歴史上の上皇、太上天皇についてどんな役割を果たしてきたのかを知りたくて読みました。2019/11/13

クサバナリスト

7
上皇に特化し、天皇との関係や、各時代におけるそのポジションが意味することを解説。本郷さんの自説も各箇所で述べられている。諸外国では権力者が終身在位することと比較することで、天皇と権力との関係をとき、上皇の誕生を分かりやすく解説している。2018/09/14

田中峰和

4
摂関に対抗するため生まれたとされる院政。天皇に娘を嫁がせ皇太子にして政権を簒奪する藤原氏に対する手段として、跡継ぎの皇子を天皇にして自らは上皇になるのは、旨い手である。歴史を辿れば天皇はいつもお飾りで、武士の台頭によって将軍は天皇を利用する上皇を禁じようとした。皇室に敬意を払っていたとされる信長も、自らを国王あるいは神と考えだして、右大臣以降の就任は拒否していた。南北朝に分かれていた鎌倉後期、後醍醐天皇は、上皇になって南朝で権力独占しようとしたが、それもかなわず。長い武家政治が終わり、維新で神となった。2020/05/31

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