出版社内容情報
阿部定事件、水俣病訴訟等で繰り広げられた感動的な弁論を時にはクイズも交えて紹介し、弁護士と裁判のあり方に一石を投じる。
内容説明
森永ヒ素ミルク中毒事件の中坊公平、足利事件の佐藤博史など、法廷に居合わせた人々の心を掴み、揺り動かしてしまうほどの魅力的な弁論を繰り広げたカリスマ弁護士は少なくない。彼らの実際の弁論を、時にはクイズも交えて紹介し、楽しみながら弁護士と裁判のあり方について考える。
目次
第1章 「イケメン弁護士」「美人弁護士」が、減り続ける理由
第2章 世の中の「多数派」との戦い
第3章 「ディテール描写型」の法廷弁論
第4章 阿部定を弁護する
第5章 被告人、ニッポン
第6章 よくも悪くも「弁論の天才」
第7章 検察官への、正しい「噛み付き方」講座
第8章 伝説の「暴走法曹」
第9章 弁護士を大切にしない政策は、国民を大切にしない政策だ
著者等紹介
長嶺超輝[ナガミネマサキ]
フリーライター。1975年長崎県生まれ。九州大学法学部を卒業後、弁護士を目指すも、司法試験で7回の不合格を重ね、ようやく懲りる。上京後、アルバイトで食いつなぎつつ出版企画を売り込み続ける。デビュー著書『裁判官の爆笑お言葉集』(幻冬舎新書)は30万部を超えるベストセラー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつのすけ
18
明治・大正・昭和・平成と各時代に活躍された弁護士から、著者が選んだ弁護士の最終弁論が掲載されている。 終盤は、法科大学院制度が始まって以降の司法試験制度について、この制度の問題点が述べられている。 日常生活を送っている限り、弁護士に接することはないだろう。しかし、本書でも述べられている通り、法的な不利益を被ったときに、理論武装をして味方となるのは弁護士である。 現行の司法試験制度で、頼れる弁護士が増加しているのか疑問であると感じた。2024/06/09
大先生
12
明治・大正期に活躍した花井卓蔵弁護士が凄い!拷問や脅しによって虚偽自白してしまった木内知事の弁護で、でっち上げの調書を批判し、「本件は、じつに被告人らの怨恨の血と、悲憤の涙の記念物である。筆を血涙に染めて作られたる著作物である」という弁論を展開したそうです。要するに検察の調書は、検察官の創作物・作文ですよって言いたかったわけですが…まるで作家のような文章で迫力ありますね。最近は分かりやすく簡潔に書けって指導されていますが、時と場合によっては裁判官の心に訴えかける弁論も必要かもしれません。良書だと思います。2021/05/17
てくてく
4
戦前戦後の法廷弁論で著名な弁護士を、有名裁判とともに取り上げた本。大好きな花井卓三庫、今村力三郎、布施辰治などが取り上げられていて楽しかった。毀誉褒貶が激しい中坊公平弁護士の、森永ヒ素ミルク事件(民事訴訟)における弁論は、学生に紹介したいと思った。<おすすめ>2015/07/18
刻猫
3
弁舌の鮮やかさ。心を動かす言葉の使い方。巧みな比喩、ウェットに富んだユーモア。重厚な切り口。などなど。2013/09/19
想
2
話しかけるような文体でさくさく読めますが、厳粛な雰囲気を感じたい人にはオススメしません。 著者が本当に弁護士好きなのは伝わりますし、なんだかんだ言っても正義の味方を夢見ていると感じます。 2017/05/29