出版社内容情報
敗戦直後、日本社会党が誕生した。
戦前の無産政党を糾合し、「社会主義国日本」を目指しての結党である。
しかし以後半世紀、一度として単独政権を打ち樹てることなく、ついに崩落した。
社会党の歴史は、日米安保体制=自由主義陣営打破の闘いとそれに絡まる路線・派閥抗争の軌跡でもある。
ソ連型社会主義と共振するその「理想主義」は、議会制民主主義と矛盾する側面をもっていた。
日本社会党を通して、戦後日本の全体像をみつめる。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
O次郎
1
日本社会党の罪深さを描き出した名著。結党当時は政権党を担える国家観と外交・安保観を持ち、日米安保体制構築を牽引さえした社会党が総評の後押しによる党内左派勝利と最右派の離党を経て、現実から浮遊した悪しき理想主義政党に堕していく過程には悲しささえ覚える。近年の旧民主党系野党を「社会党的理想主義」と揶揄することもあるが、元祖社会党の理想主義は悪い意味でずば抜けていると感じた。もし西尾末広ら党内右派が勝利し、社会党が結党当時の現実主義のままでいたら独SPDのように70年代の政権交代もありえたとも思う2025/11/02




