中公選書<br> 聯合艦隊―「海軍の象徴」の実像

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中公選書
聯合艦隊―「海軍の象徴」の実像

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  • サイズ 46判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784121101273
  • NDC分類 397.21
  • Cコード C1321

出版社内容情報

誰もが知る「聯合艦隊」初の通史。

 東郷平八郎や山本五十六ら聯合艦隊司令長官は、ともすると海軍大臣よりも一般に名の通った存在である。

 では、聯合艦隊とはどのような「組織」で、どのような役割を果たしていたのか。

 本書は、本来、戦時や演習時に必要に応じて編成される臨時の組織に過ぎなかった聯合艦隊が平時に常設されるようになり、海軍の象徴として政治的にも大きな存在となりながら、次第に戦争の現場に合致しない組織となっていく過程を、鍵となる司令長官の事例を軸に説き起こす。

内容説明

東郷平八郎や山本五十六ら聯合艦隊司令長官は、時の海軍大臣よりも著名な「英雄」であった。臨時組織に過ぎなかった聯合艦隊は日露戦争の栄光を引っ提げ常置されるものとなったが、その「精兵主義」「海上本位主義」は次第に現実と合わなくなり、太平洋戦争中には陸海軍の作戦指導の分裂の原因となる―。本書は今まで海軍戦史の一部分でしかなかった聯合艦隊を政治史や外交史、そして社会との関わりに注目して描く初の通史である。

目次

第1章 誕生―明治・大正期(日清・日露戦争―伊東祐亨と東郷平八郎;ワシントン軍縮会議の衝撃―竹下勇 ほか)
第2章 成長―昭和戦前期(美保関事件―加藤寛治;第一次ロンドン軍縮会議―山本英輔 ほか)
第3章 栄光と没落―戦時(中央集権化と独断専行―山本五十六;艦隊決戦をめぐる矛盾―古賀峯一 ほか)
終章 海の「関東軍」(聯合艦隊という権威と理想の誕生;強化される「権威と伝統」と現実との矛盾 ほか)

著者等紹介

木村聡[キムラサトシ]
1993年茨城県生まれ。北海道大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科歴史地域文化学専攻博士課程修了。外務省外交史料館アジア歴史資料センター協力室非常勤職員、防衛大学校総合安全保障研究科後期課程特別研究員を経て、2022年4月より別府大学専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

96
渡部昇一『ドイツ参謀本部』と似た組織論として読んだ。それぞれ発足時は大して注目されなかったのが普仏戦争と日露戦争で比類ない功績をあげ、その指揮官は英雄として長く尊敬された。結果、組織は常勝無謬の神話を帯びて軍の象徴と化し、後継者は時代に即した変革より栄光と権威を利用した維持拡大に努めるようになる。自分たちの利益を最優先する姿勢から政治や外交と衝突したり、内部でも派閥抗争を起こすなど変われない故の組織の劣化を招いたのだ。硬直化で現実対応能力を失って敗戦と消滅に至る姿は、ソ連崩壊とも共通する官僚組織の脆さか。2022/06/29

六点

85
帯に「海の関東軍」とある通り、伝統を墨守し、ついには祖国の敗北を招いた帝国海軍の一組織である聯合艦隊の歴史を見て、エリートである彼らが何故に前記の如き事態を招いたかを描き出して余りない。現場ばかりに責任を押し付け、上に甘い組織なんてどこにでもあるが、90年代生まれの著者にしてなおも聯合艦隊を貶める意図は無いと記ような言語空間であるらしい。日本という国は。2024/04/15

skunk_c

73
若い研究者による聯合艦隊の歴史をまとめた本。特に1941年以降の戦争の時期に、陸軍や軍令部と対立していく様子が興味深かった。従来の「輸送船を沈めるなんて面白くない」的な視点だけではなく、海軍において聯合艦隊がある種の独立した指揮権を持っていたため、陸軍と協調しようと努力していた海軍軍令部と衝突する。著者はこれを「一現地軍に過ぎないものの独走」として関東軍になぞらえているが面白い視点だ。ただし、真珠湾攻撃以来カリスマ化した山本五十六の聯合艦隊への評価が、その後にどんな影響を与えたかは記されていないのが残念。2022/10/23

樋口佳之

59
陸軍でいうと陸軍大臣/参謀総長/教育総監となるのに比して、海軍の要職となると海軍大臣/軍令部総長/連合艦隊司令長官みたいなので、連合艦隊の位置付けはたしかに奇妙。その連合艦隊(司令長官)を軸に描くお話/「海の関東軍」という惹句が効いていると思うのですが、制度上の歪みから言うとそれを超えるかも/「末次氏ハ其ノ謹厳サウナ顔付ト、落チ付イタ態度弁舌ト断定的ナ美辞麗句トニ依ッテ、上下ノ信頼・輿望ヲ獲得スルニ或ル程度成功シテ居タ如ク思ハレル」(堀悌吉)。クリアカットなお話をする方には要注意だな。2022/10/29

MUNEKAZ

17
組織としての「連合艦隊」に着目した一冊。戦時に臨時で置かれる編成が、大正期の軍縮の余波から常設化され、海軍の栄光を一身に背負うことに。しかし、それは軍令部との指揮系統の混乱を招き、ましてや陸海の共同が必要な島嶼戦では、陸軍との軋轢を増す要因となる。現場の出先機関の暴走という点から、連合艦隊を「海の関東軍」と評する著者の主張は刺激的。陸軍が大陸での泥沼という高い代償を払って、中央の統制を回復したのに対し、最後まで改善しなかった海軍という見方も強烈である。海軍に対するスマートなイメージを破壊する内容。2022/12/11

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