出版社内容情報
光で像を刻む! ニエプスによる実験成功から二〇〇年、常時接続されたカメラが見つめる日常は、刻一刻と「写真化」している。撮られる世界のほうが、撮る人間のことをよく知っている画像の世紀に、撮るべきものはまだ残っているだろうか。コロナウイルスの世界的流行が問う〈距離〉、再考を迫られる〈他者〉との関係、不透明な未来を前に〈歴史〉の鏡を探りつつ、その始まりから最先端までを、社会のなかに深堀りする写真論の挑戦。
内容説明
光で像を刻む!ニエプスによる実験成功から二〇〇年、常時接続されたカメラが見つめる日常は、刻一刻と「写真化」している。撮られる世界のほうが、撮る人間のことをよく知っている画像の世紀に、撮るべきものはまだ残っているだろうか。コロナウイルスの世界的流行が問う“距離”、再考を迫られる“他者”との関係、不透明な未来を前に“歴史”の鏡を探りつつ、その始まりから最先端までを、社会のなかに深掘りする写真論の挑戦。
目次
序論 「写真化」する文明
第1部 距離(社会的距離の起源について;自由の檻;新しいトロンプ・ルイユ)
第2部 他者(黒人写真史のために;顔の機械;仮装の島へ;写真とハビトゥス)
第3部 歴史(後ろ姿と歴史;ユリシーズの時間;回帰する眼差し)
著者等紹介
港千尋[ミナトチヒロ]
写真家。イメージの発生と記憶などをテーマに広範な活動を続けている。『赤道』で第1回コニカプラザ奨励賞受賞、『市民の色』で伊奈信夫賞を受賞。ヴェネツィアビエンナーレなど国際展のキュレーションも行い、第3回あいちトリエンナーレ2016では芸術監督を務めた。著書に『記憶―「創造」と「想起」の力』(サントリー学芸賞)など多数。『風景論―変貌する地球と日本の記憶』で2019年度日本写真協会賞受賞。現在、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。