出版社内容情報
明治維新後、欧米をモデルに近代化した日本。中国はその停滞から一転し蔑視の対象となった。
日清戦争、日露戦争、北清事変、満洲事変、そして日中戦争と経るなか、それは一層強くなっていく。
本書は明治から昭和戦前まで民衆の対中国感情の軌跡を追う。
世論調査がない時代、民衆が愛読した少年雑誌に着目。中国への赤裸々な図版を通し、古代中国への思慕とは対照的に、同時代中国への露骨な差別意識を持った剥き出しの感情を描く。図版百点収載。
内容説明
明治維新後、欧米をモデルに近代化した日本。他方で中国はその停滞から一転し蔑視の対象となった。日清・日露戦争、満洲事変、日中戦争と経るなか、それは敵愾心から侮蔑、嘲笑へと変わっていく。本書は、明治から昭和戦前まで民衆の対中感情を追う。世論調査がない時代、民衆が愛読した少年雑誌に着目。赤裸々な図版から、古代中国への変わらぬ思慕とは対照的に、同時代中国への露骨な差別意識、感情を描く。図版百点収載。
目次
第1章 日清・日露戦争の明治期―同時代中国への蔑視(反中感情の高揚、激化する敵愾心―日清開戦;メディアを覆う蔑視、対朝鮮感情との類似と差違;蔑視から嫌悪、悪人へ―北清事変、日露戦争の時代)
第2章 「一等国」意識の大正期―「負」の象徴と「日中親善」の声(悪人、滑稽の定着と道徳心―中華民国の成立と戦間期;世界での「負」の感情―映画・漫画のなかの中国)
第3章 満洲事変・日中戦争の昭和期―慢心と嘲笑(頻出する「小癪な」の意識―降伏しない中国への感情;滑稽と東洋道徳の根源の共存―国民大衆雑誌『キング』)
著者等紹介
金山泰志[カナヤマヤスユキ]
1984(昭和59)年神奈川県生まれ。2007年横浜市立大学国際文化学部日本アジア文化学科卒業。13年日本大学大学院文学研究科日本史専攻博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、18年同朋大学文学部専任講師、同准教授を経て、24年より横浜市立大学国際教養学部准教授。専攻・日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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