中公新書<br> 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

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中公新書
吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

  • 藪本 勝治【著】
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  • 中央公論新社(2024/07発売)
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  • サイズ 新書判/ページ数 312p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121028143
  • NDC分類 210.42
  • Cコード C1221

出版社内容情報

鎌倉時代を舞台とするドラマで描かれる挿話の多くは『吾妻鏡』に基づく。史料に潜む虚構を洗い出し、隠された意図を明らかにする。

内容説明

鎌倉幕府草創から中期までの事績を記した『吾妻鏡』。源頼朝挙兵に至る経緯、二代将軍頼家の暗愚、三代執権北条泰時の武勇と仁徳ほか、小説やドラマが描く挿話の多くはこの史料に基づく。幕府の公式記録とも言われるが、史実の錯誤や改変も少なくない。本書では平家追討、奥州合戦、実朝暗殺、承久の乱など主要な合戦や争乱の叙述を、近年の研究も踏まえて検証。「正史」に潜む虚構を洗い出し、隠された意図を明らかにする。

目次

序章 『吾妻鏡』とは何か
第1章 頼朝挙兵(一一八〇年)―忠臣たちの物語と北条氏の優越
第2章 平家追討(一一八五年)―頼朝の版図拡大と利用される敗者たち
第3章 奥州合戦(一一八九年)―幕府体制の確立を語る軍記物語
第4章 比企氏の乱(一二〇三年)―悪王頼家の退場と逆臣の排斥という虚構
第5章 和田合戦(一二一三年)―頼朝の政道を継ぐ実朝と北条泰時
第6章 実朝暗殺(一二一九年)―源氏将軍断絶と得宗家の繁栄を導く神意
第7章 承久の乱(一二二一年)―執権政治の起源を語る軍記物語
第8章 宝治合戦(一二四七年)―北条時頼による得宗専制の開始
終章 歴史像の構築

著者等紹介

藪本勝治[ヤブモトカツハル]
1983年(昭和58年)、山口県に生まれる。神戸大学文学部卒業後、同大学大学院人文学研究科に進み、博士(文学)を取得。現在、灘中学校・高等学校教諭。専門分野は日本中世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

145
組織の歴史を当事者が編纂すると、戦史や社史と同じく勝者に都合のいい形にしてしまう。鎌倉幕府の正史とされる「吾妻鏡」もまた、将軍を傀儡として実権を握った北条得宗家の権威の正当性を強調するための政治的フィクションだった。頼朝挙兵や平氏追討での功績を大幅に水増しし、和田合戦と承久の乱では北条泰時の英明さと徳政を称え、政変の敗者である比企氏や畠山氏、後鳥羽院や三浦氏の存在を黙殺・矮小化する。古文書としての吾妻鏡の文章や歴史改変のやり方から編纂者の意図を読み解いていく手法は、歴史ミステリを読む面白さすら感じられる。2024/09/12

trazom

128
「これ、全部フィクション」という煽情的な帯にソソられて手にする。「吾妻鏡」は、漢文・編年体・将軍記という正史の体裁をとりながら、頼朝の絶対性と得宗家の正当性を主張するための書物として、その意図と史実との関係が詳細に分析される。「平家物語」が幕府草創の正当性を主張する構想ながら、むしろ滅ぶ平家の哀切が主題化されたように、「吾妻鏡」も、結果的に、義経や実朝の物語など敗者への文学的余情を添える結果となったのは皮肉である。著者は灘中・高校の国語の教諭とのこと。「吾妻鏡」は歴史か文学か、面白い立ち位置かもしれない。2025/01/13

まーくん

108
鎌倉幕府の「正史」として編纂された『吾妻鏡』。頼朝挙兵・平家追討・奥州合戦・比企氏の乱・和田合戦・実朝暗殺・承久の乱・宝治合戦…。幕府草創から中期までの事績を辿る歴史書。しかし、これも世の常、いわゆる勝者の歴史で、結果から振り返り過去を語っている。その曲筆、虚構、隠蔽などの背後に隠された「意図」を探ることで新たな歴史解釈が現れてくる。例えば『吾妻鏡』に先立つ信頼のおける史料、慈円の『愚管抄』から比企氏の乱は実は北条氏の乱であったと読み解く。また、和田合戦については、リアルタイムで伝え聞いた藤原定家が⇒2024/10/13

修一朗

103
ドラマを観て以来読みたかった本。歴史書は後世勝者の視点で描かれることが多いが,吾妻鏡は得宗北条家が権力を維持していることの正統性を示すために周到に構成されていることがよくわかった。実際は正統の源家は3代で根絶やしにされてしまうし鎌倉の御家人同士で粛清を繰り返すし権謀術数を駆使してやっと生き残ったのがこの北条家だったのだ。天変地異を利用して世上を操作しようとしているところが中世らしくて興味深い。家に伝わる個人記録を編集して合戦記録を創出したり,歴史書の「物語」が創られていく過程が分かって面白かった。2024/11/29

tamami

81
鎌倉時代の正史とされる『吾妻鏡』。北条得宗家の記録として多少の改変や虚構を承知の上で読み進めたが、余りな凄惨な事件の連続陰謀・誅殺等の言葉の氾濫を見て、息をのむ思いであった。専門は国文学という著者は、膨大な史料・文献に目を通し、『吾妻鏡』が記す歴史の虚実と物語性を追っていく。自然災害や神仏の加護等々全てを動員して時の権力者の依って来たる所を記す物語とするところに『吾妻鏡』の面白さはあるという。鎌倉時代の裏面史を充分に堪能する。個人的には、所々に描出される鎌倉幕府と諏訪信仰の関連について更に深めていきたい。2024/10/17

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