出版社内容情報
元禄四年(一六九一)に三井高利が開設した三井大坂両替店。元の業務は江戸幕府に委託された送金だったが、その役得を活かし民間相手の金貸しとして栄えた。本書は、三井に残された膨大な史料から信用調査の技術と、当時の法制度を利用した工夫を読み解く。そこで明らかになるのは三井の経営手法のみならず、当時の社会風俗や人々の倫理観だ。三井はいかにして日本初の民間銀行創業へとつながる繁栄を築いたのか。
内容説明
元禄四年(一六九一)に三井高利が開設した三井大坂両替店。当初の業務は江戸幕府に委託された送金だったが、その役得を活かし民間相手の金貸しとして成長する。本書は、三井の膨大な史料から信用調査の技術と法制度を利用した工夫を読み解く。そこからは三井の経営手法のみならず、当時の社会風俗や人々の倫理観がみえてくる。三井はいかにして栄え、日本初の民間銀行創業へと繋げたか。新たな視点で金融史を捉え直す。
目次
第1章 事業概要(開業と業績;主力融資―延為替貸付 ほか)
第2章 組織と人事(店舗の立地とそれを取り巻く経済状況;奉公人の昇進と報酬 ほか)
第3章 信用調査の方法と技術(「聴合」から成約までの流れ;都市不動産の時価と立地調査 ほか)
第4章 顧客たちの悲喜こもごも(不和、紛争、悪評を招いた不品行;ギャンブル中毒、横領癖、身のほど知らず ほか)
第5章 データで読み解く信用調査と成約数(契約の口数と特徴;顧客の特徴 ほか)
著者等紹介
萬代悠[マンダイユウ]
1987年大阪府生まれ。2015年、関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程文化歴史学専攻日本史学領域単位取得退学。2016年、博士(歴史学)。大阪市史料調査会調査員を経て、現在、公益財団法人三井文庫研究員。著書『近世畿内の豪農経営と藩政』(塙書房、2019年、第62回日経・経済図書文化賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
KAZOO
まちゃ
ゲオルギオ・ハーン
浅香山三郎