中公新書
なぜ人は騙されるのか―詭弁から詐欺までの心理学

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121025449
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C1211

出版社内容情報

対面、電話、メール、SNS……私たちは日々、コミュニケーションを取っている。街には広告があふれ、テレビや新聞はニュースを伝える。それら多くの情報をどうやって処理しているのだろうか。中には、購買意欲がわくように効果を誇張した宣伝や、都合の悪いことを言い繕うためのごまかし、根拠のない誤情報も混ざっている。
だまされないために、どう心構えし、対処すべきか。言語心理学から冷静に分析する。

内容説明

「オレだけど、会社の金を使い込んだんだ…」。振り込め詐欺の典型的な手口だが、私たちはなぜ簡単に騙されてしまうのか。詐欺だけではない。店頭や電車内には、効果を誇張した宣伝があふれ、政治家や官僚は都合の悪いことを言い繕い、SNSでは根拠のないフェイクニュースが流布している。騙されないために、どう心構えし、行動すべきか。社会心理学の観点から冷静に分析し、対処法を伝授する。

目次

第1章 説得する―そのメカニズムを探る(世の中をどのように判断するか―社会的情報処理;他者にどのように影響を与えるか―説得の過程)
第2章 宣伝する―広告に惑わされる(人を惑わせる表現;数値での誘導;体験談広告の問題点;要請技法;誘導から逃れるには?;「サブリミナル」は本当か?)
第3章 騙す―日常生活に潜む危険(特殊詐欺の落とし穴;悪質商法のテクニック)
第4章 言い逃れる―詭弁を弄する政治家たち(大臣、官僚の言いくるめ術;首相の言い逃れ;ごまかし答弁は有効なのか?)
第5章 信じ込む―フェイクニュースが跋扈する(フェイクニュースの蔓延;信じ込んでいく過程;SNSと意見の分極化;フェイクニュースへの対処)

著者等紹介

岡本真一郎[オカモトシンイチロウ]
1952年、岐阜県生まれ。82年、京都大学大学院文学研究科博士課程(心理学専攻)満期退学。愛知学院大学文学部講師、助教授、教授等を経て、同大学心身科学部心理学科教授。94年、ブリストル大学客員研究員。博士(文学)。専攻・社会心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

69
人間の認知の脆弱性を嫌というほど実例を挙げて知らされるので、不安に思う方や人間の心理の不思議を理解したい方は読んでご覧になるといいと思う。誇大広告なんてあるあるの連発。タイムセールの罠など、生活に引きつけて考えられるため取っつきやすい内容となっている。2019/06/03

那由田 忠

24
心理学研究をベースに、説得と宣伝の手法や詐欺とフェイクを説明。学問をベースにした面白い話が多い。ただ詐欺はオレオレ詐欺が、息子の犯罪を大金で救う話が多いと指摘しないのが残念。米国だと息子は被害にあって困る話で金額も1-2桁少ない。分析が甘すぎる。最悪は第4章「言い逃れる」で安倍のモリカケ関連答弁の「分析」。国会は野党の一方的質問で、討論でないので言い逃れるしかないのを忘れてる。野党も攻撃を受けると似た対応する。引用文献を見ると4章に学問的裏付けないことがよくわかる。自らフェイクをしてはね、笑)2019/08/07

そうたそ

18
★☆☆☆☆ 1章から3章までは生活の身近なところにある体験談広告や、あるいは詐欺・悪徳商法といったものを心理学的に説明してくれる、入門書として最適な内容で面白かったのだが、4章・5章が政権批判・トランプ批判に終始しており読むに耐えない。答弁のひとつひとつをあげつらい心理学的にどうこうと説明されたところで、さすがにそこまでいくとただの揚げ足取りではとしか思えなかった。あまりの酷さに後半は流し読み。実際がどうかは別として、政権あるいはトランプが騙している前提で話を進めるのはどうなのか。2020/01/18

まゆまゆ

18
人間の情報処理の基本は、意識的ではなく考える前に行われる自発的処理である。この事を踏まえて詐欺や過大広告に騙されないための心構えをもつべきと説く内容。政治家の詭弁やフェイクニュースまで、何が嘘で何が本当かを判断するのはやはり自分の判断になってしまうが、様々なバイアスによって騙される可能性があると自覚しておくだけでも効果がありそう。2019/12/17

terve

18
信じ込むまでのプロセスを明示し、実例を挙げて紹介しています。説得、宣伝、騙す、言い逃れ、信じ込みの五つのテーマでまとめています。しかし、自分は騙されるはずがないと思っている人ほど危ないというのは…私も騙されないように気をつけたいと思います。2019/08/12

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