出版社内容情報
馬という字からはタテガミをなびかせ走るウマの姿が見えてくる。しかし犬からイヌを、象からゾウの姿を想像することは難しい。漢字がもつ四千年の歴史は、捨象と洗練と普及の歴史である。
本書ではそうした漢字の変遷が一目でわかる字形表を用いることで、祭祀や農耕など中国社会の変化の軌跡をたどる。字形の多様さから古代の人々の営為を読み取れば、私たちの社会の成り立ちも自ずと浮かび上がってくるだろう。
内容説明
「馬」の字からはタテガミをなびかせ走るウマの姿が見えてくる。しかし、「犬」からイヌを、「象」からゾウの姿を想像することは難しい。甲骨文字から篆書、隷書を経て楷書へ―字形の変化を丹念にたどると、祭祀や農耕など中国社会の変化の軌跡を読み取れる。漢字がもつ四千年の歴史は、捨象と洗練と普及の歴史なのだ。本書では小学校で習う教育漢字を取り上げた。眺めて楽しい字形表から漢字の歴史が見えてくる。
目次
序章 漢字の歴史
第1章 「馬」のたてがみ、「象」の鼻
第2章 「本末」は、転倒している
第3章 「人」は、一人で立っている
第4章 古代文明の「宮」殿、馬「車」
第5章 意外な親戚、「同源字」
第6章 他人のそら似、「同化字」
第7章 古代人も迷った、「字源説の変化」
終章 タイムカプセルとしての漢字
著者等紹介
落合淳思[オチアイアツシ]
1974年愛知県生まれ。立命館大学大学院文学研究科史学専攻修了。博士(文学)。現在、立命館白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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