出版社内容情報
フェノロサによって日本の伝統絵画が評価され「日本画」として成立し、岡倉天心らの努力により発展していった。現代篇では、戦前の前衛美術から、21世紀までを扱う。戦前・戦中には富士山や軍人を主題とする絵画を多く制作した画家らだったが、戦争の経験から日本的なものが否定され、新しい道を模索せざるを得なくなった。いま、日本画はどうなっているのか。戦後の人気画家らの作品をはじめ、主要な日本画を多数収載。
草薙奈津子[クサナギナツコ]
著・文・その他
内容説明
日本画否定を乗り越え切り開かれた新時代。昭和十年代、前衛美術集団の離合集散が続いた。だが、新しい絵画の胎動は戦時体制に飲み込まれ、富士山や軍人など国威昂揚を意図した絵画が制作されるようになる。戦後は国粋主義への批判から「日本画滅亡論」が唱えられ、新しい道の模索を余儀なくされた。前衛として戦前に注目された吉岡堅二らから、戦時中、そして復興に寄り添って人気を博した東山魁夷や平山郁夫の活躍、さらに、平成以降の新潮流までを描く。
目次
第1章 昭和戦前期の日本画
第2章 瑠爽画社から一采社へ
第3章 戦後の日本画―現代日本画の誕生
第4章 戦後の人気画家たち
第5章 「日本画」から「日本の絵画」へ―西洋化からの脱出
第6章 女性画家の台頭と活躍
著者等紹介
草薙奈津子[クサナギナツコ]
1968年慶應義塾大学文学部哲学科卒業。69年から山種美術館に勤務、学芸部企画・普及課長を務めたのち、慶應義塾大学、東京藝術大学、学習院大学の各講師を経て、2004年より平塚市美術館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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