中公新書
公家たちの幕末維新―ペリー来航から華族誕生へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 306p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121024978
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C1221

出版社内容情報

ペリー来航から明治維新まで、この15年を彩るさまざまな物語は、志士をはじめとする武家を主人公として描かれることが多い。一方、公家たちは歴史のうねりに翻弄される優柔不断な脇役として描かれてきた。しかし、公武合体から王政復古まで、彼らが果たした役割は大きい。天皇復権のため、志士たちを煽り、大名を相手に種々の交渉を重ねたのは有名無名の公家たちである。日本史の画期で奔走した彼らの奮闘に迫る。

刑部芳則[オサカベヨシノリ]
著・文・その他

内容説明

ペリー来航から明治維新までの15年を彩る物語は、志士をはじめとする武家を主人公に描かれる。一方、公家たちは屈従を強いられ、歴史のうねりに翻弄された脇役として描かれてきた。だが、実際には公武合体から王政復古まで、彼らが果たした役割は大きい。天皇復権のため、有名無名の公家たちが志士たちを煽り、諸藩を相手に権謀術数を重ねたのである。激動の幕末維新期に裏から大政を操った彼らの姿を描く。

目次

序章 朝廷のしくみ
第1章 政治に関与する公家たち 一八五三~五八年
第2章 公武合体の季節 一八五九~六一年
第3章 京都の政局 一八六一~六二年
第4章 攘夷をめぐる激闘 一八六三~六四年
第5章 朝廷の内と外 一八六五~六六年
第6章 王政復古への道程 一八六七年
第7章 維新の功労―公家華族の誕生 一八六八~九一年
終章 公家にとっての維新

著者等紹介

刑部芳則[オサカベヨシノリ]
1977年(昭和52)東京都生まれ。中央大学大学院博士後期課程修了。博士(史学)。中央大学文学部日本史学専攻兼任講師を経て、日本大学商学部准教授。専攻は日本近代史。著書『明治国家の服制と華族』(吉川弘文館、2012、日本風俗史学会江馬賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

174
幕末維新、これまであまりスポットが当たらなかった公家たちの役割を解明した1冊。公家の家格や、役割一覧など本文に24もの表が掲載され、分かりやすい。よく調べたものだ、と感心。しかし、陰謀、密勅、裏切り…、互いの待遇に対する嫉妬など、暗い面が多く途中で飽食気味に。現在もなお続く公・侯・伯・子・男の爵位がどういう風に決まったのかの経緯は興味深かった。明治9年、岩倉具視が収入のない公家救済のため宮中に6人一組で出仕する仕事を作ったが、その内容は「掃除と窓の開閉」とは、驚きだった!2019/04/19

レアル

53
幕末といえば武士の活躍は見られるが、この時公家は何をしていたのだろう!と思ったのがこの本を手に取った理由。まず公家という世界がよく分かった。成り立ちから重んじる家格、そして役割と、幕末と言えば武士ばかりが活躍し、公家と言えば「気の抜けた、のほほんとして時代錯誤な人たち」(いくら何でもこの言い方は失礼過ぎるかな、笑)という私のイメージがこの本で払拭された!それどころか、この幕末のこれ程の公家たちの活躍に驚くばかり。時代と共にどのように公家たちが関わってきたかを描いているこの本。公家の歴史面白い。2018/11/29

ばたやん@かみがた

52
岩倉具視以外人物はほぼいない、というのが大方の幕末の公家への評価だと思うが、覆ることはなし。何かにつけ暴力振るうことに躊躇いのない時代風潮の現れと言ってしまえばそれまでだが、登場する公家のクズっぷりが酷い。幕府に朝廷の人事案を強要する大原重徳。渋る老中達に身の安全を保障できないと脅迫する(ヤクザか…)。だが過激な尊攘派が京に集結する様になると今度は彼等に恐怖し引きずられる存在へと化していく。薩長の政治力と天皇を結び付けた王政復古の大号令のとき公家の存在感は一時的に高まるが、その後用済みになるのは当然か。2019/04/07

skunk_c

35
通常の幕末史では「下級公家の攘夷要求」といった具合に軽く片付けられる、ペリー来航以来王政復古までの公家の動きを丹念に追ったもの。そこから見えるのは、各々繋がりのある武家や志士の動きに敏感というか過剰に反応しながらも、公家としての自身や家格を守ったりする動きで、それはあくまでも本質は官位、すなわち武家より上位であるという一種のプライドと、世間知らずというか、現実の政治に疎いことが実によく分かる。むしろ本書から当時の各藩の動きや志士の動向があぶり出されている。明治維新後に彼らが殆ど主役になれなかったのも納得。2018/08/11

yamatoshiuruhashi

28
気になる読友さんたちの気になるレビューで読むことに。ところが出てくる公卿の名前が読めない。とりあえず名前の音ではなく漢字を記号と認識して読む進んだ。幕末維新期には現実的役割を果たした公卿は殆どいないと思っていました。丁度、辛亥革命後の紫禁城の中のように。ところが天皇は日本の制度・精神の中心で有職故実こそが重要な役割を持ち、その打破と維持が維新回天の大きな要素でもあったことを改めて知ることになった。公家の側面からこの動乱期を研究することは多面的な検証に大きな力となるものと信じる。読メの先達に感謝。2019/02/09

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