中公新書<br> 貧困と地域―あいりん地区から見る高齢化と孤立死

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中公新書
貧困と地域―あいりん地区から見る高齢化と孤立死

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  • サイズ 新書判/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121024220
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C1236

出版社内容情報

大阪のあいりん地区を通して、高齢化、再開発、社会的孤立、弔いのあり方などを考える。それは日本が直面する課題にも通じるものだ。

内容説明

「日雇労働者の町」と呼ばれ、高度経済成長期に頻発した暴動で注目を集めた大阪のあいりん地区(釜ヶ崎)。現在は高齢化が進むなか、「福祉の町」として知られる。劣悪な住環境、生活保護受給者の増加、社会的孤立の広がり、身寄りのない最期など、このエリアが直面している課題は、全国の地域社会にとっても他人事ではない。本書は、貧困の地域集中とその対策を追った著者による現代のコミュニティ論である。

目次

序章 暴動までの歴史的背景
第1章 日雇労働者の町として
第2章 ホームレス問題とセーフティネット
第3章 生活困窮者の住まいと支援のあり方
第4章 社会的孤立と死をめぐって
第5章 再開発と向き合うあいりん地区
終章 地域の経験を活かすために

著者等紹介

白波瀬達也[シラハセタツヤ]
1979年京都府生まれ。2008年、関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程単位取得退学。大阪市立大学都市研究プラザ博士研究員などを経て、関西学院大学社会学部准教授。社会学博士。専門社会調査士、社会福祉士。2007年から2013年にかけて地域福祉施設「西成市民館」でソーシャルワーカーとして活動。専門は福祉社会学、宗教社会学、質的調査法。論文「あいりん地域における居住支援―ホームレス支援の新たな展開と課題」が2016年度日本都市社会学会若手奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

70
日雇い労働者が多く住むドヤ街「大阪のあいりん地区(釜ヶ崎)」。かつては単身男性を中心とする非定住の労働者の町、2000年以降は生活保護受給者の急増に伴って貧困者の多く住む福祉の町の色合いを強めている。本書は、あいりん地区の置かれた歴史的背景、日雇い労働者の地域集中に伴って現れた貧困者の社会的包摂と排除、そしてそこで生活する貧困者の高齢化と孤立死、地域のつながりなどを論じている。副題の高齢化と孤立死についてもう少し突っ込んだ話を期待していたが、そうでもなかった。社会学者のフィールドワークの一冊。2017/11/27

おさむ

38
非正規労働者の増加など社会の変化もあってか、釜ヶ崎は関西の若手社会学者の研究テーマとして人気を集めており、本著もそのひとつ。半世紀の流れをうまくまとめている。かつてのスラム街から大阪万博をキッカケにドヤ街に。2000年代以降はホームレス対策や生活保護の適用が進み、定住率が高まった。いまは日雇労働者の供給地でなく、行き場を失った人々のセーフティネットとしての機能が高まっている。西成特区構想なる再開発計画もあるそうです。この街がどう変わっていくのか、注視していきたい。2017/09/30

ゆう。

38
大阪のあいりん地区から見える貧困問題を考察した本です。貧困は見ようとしないとみえませんが、本著はあいりん地区の歴史を丁寧に取り上げており、日雇労働者の町から高齢化が進み生活保護受給者が多くなってきた近年の町の変遷を見るなかで、僕は地域のなかにある貧困問題は、まだまだ表に出ていない問題が多いのではないかと思いました。現在、大阪では西成特区構想がすすめられていますが、僕はこうした構想は貧困をよけいに見えなくし、今不十分ながらもある地域の福祉機能が壊されるのではないかという懸念もしました。勉強になりました。2017/04/28

skunk_c

29
大阪市西成区あいりん地区、かつては3大ドヤとして山谷、寿町と並び称される簡易宿泊施設の集中した「寄せ場」で、日雇労働者の集まる地域だったが、さらに遡ると日本有数のスラムだったという。それが現在では生活保護を受ける男性独居老人が集中している「福祉のまち」になっているとのこと。かつて寿町の生活を垣間見、今も関心を寄せている者からすると、その様子はよく分かる。その中での孤立死への対応など興味深かった。何より5章の再開発についてが意外で、橋下市政の下、ボトムアップで進められていたとは。マスコミ報道の偏りを感じた。2017/08/19

かごむし

28
貧困が集中する、大阪市西成区「あいりん地区」。地域の歴史にはじまり、社会の対応や、問題点、「西成特区構想」の行方など、一つの地方を貧困という切り口で定点観測をした、網羅的な内容である。感じたのは、ある特殊な事情を抱えた、特殊な街の物語のはずなのに、地縁、血縁の途絶えた単身高齢者を地域が抱える問題などを読んでいるうちに、これは、まったく他人事ではないと慄然とした。遠く離れた地の老いた両親を思い、まさにその道を歩みつつある自分を思った。同年代の著者の問題意識が近いところにあるのか、様々なことを考えさせられた。2017/12/03

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