内容説明
織田信長に仕えて調略の才を発揮した古田織部は、のち羽柴秀吉に従って天下取りに貢献。他方で茶の湯を千利休に学んで高弟となる。利休死後、特異な芸術センスで桃山文化に多大な影響力を及ぼし、公武にわたる広範な人脈を築いた。だが、大坂夏の陣で豊臣方への内通を疑われ、幕府から切腹を命じられる。その死の背景に、徳川政権の盤石を期す家康の思惑はなかったか―。美の世界に革命をもたらした稀有の茶人の実像に迫る。
目次
第1章 一大茶人に至るまで―生誕から信長時代
第2章 利休の門人となる―豊臣政権確立期
第3章 師の側近として―天下人秀吉の時代
第4章 天下一の茶匠―関ヶ原合戦前後
第5章 巨匠の死―大坂夏の陣まで
終章 織部の実像
著者等紹介
諏訪勝則[スワマサノリ]
1965年(昭和40年)、神奈川県に生まれる。國學院大學文学部文学科卒業。同大学院文学研究科日本史学専攻修士課程修了。現在、陸上自衛隊高等工科学校教官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
66
織部は大坂夏の陣終了後1か月で切腹させられている。ということは、命じたのは家康?そこらへんははっきり書いてない。 織部好みの、備前、信楽、唐津、伊賀、私も好きですよ2024/01/05
森
11
図書館借りて読む。テーマが面白いが、いかんせん戦後時代の歴史詳細やら茶道など文化の詳細やら知識が足りない、部分的に読み、後は他の本など読んでから改めて読むことにします。2016/04/20
あんどうれおん
8
武人で茶人、安土桃山時代をしたたかに生きた古田織部の生涯。豊富な知識と資料とに支えられた情報量は圧巻です。2020/08/24
yuki
8
へうげものでおなじみの古田織部について、書状を始めとした同時代の資料を中心に当たることによって、その実態を明らかにしていく。後半になるほど、交友関係の幅広さがすごいことになっていくのが面白い。ただし、へうげもの的な面白おかしい逸話を期待してはいけない。また、織部といえば茶器の話を聞きたくなるもので、実際この本でも色々取り上げられているんだけれど、写真が三点しかない!詳しい人なら文章から想像できるのだろうけど、自分には厳しかった。師利休との妙味ある手紙のやり取りなどはとても面白く読めました。2016/09/30
titilogy1739
5
ふなっしーのトークで知った織部さん。読んでみたらますます興味がわいた!2021/04/24