出版社内容情報
ルイス・ブニュエルや若松孝二ら優れた映画監督は、テロリスムといかに向き合ったのか?多くの作品を通して芸術の役割を問い直す。
内容説明
2001年のアメリカ同時多発テロ事件後、ハリウッドをはじめ世界各国で、テロリスムを主題とする映画が数多く製作されている。現在にいたるまでの半世紀、映画は凄惨な暴力をいかに描いてきたのか?本書は、テクノロジーの発展やテロリストの内面など、多様な観点からブニュエルや若松孝二、ファスビンダーらの作品を論じ、テロリスムと映画の関係性をとらえ直す。それは、芸術の社会的な意味を探る試みでもある。
目次
第1章 暴力のスペクタクル―メディアのなかのテロル
第2章 他者の脅威―勧善懲悪を超えて
第3章 テロリストの内面―自己顕示欲と実存
第4章 ブニュエルの悲嘆―爆弾の遍在
第5章 若松孝二の怒り―少年の孤独
第6章 ファスビンダーの嘲笑―管理社会における不毛な演技
第7章 ベロッキオと夢の論理―歴史と想像的なるもの
終章 哀悼的想起としての映画―テロルの廃絶に向けて
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年、大阪府生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文化・比較文学を学ぶ。明治学院大学で長く教鞭を執り、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、清華大学などで客員教授・研究員を務めた。現在は文筆業に専念。映画、文学、料理、漫画、音楽といった幅広い文化現象をめぐり、批評の健筆を振るう。またサイード、パゾリーニ、ダルウィーシュの翻訳がある。著書『映画史への招待』(岩波書店、1998年、サントリー学芸賞受賞)『モロッコ流謫』(新潮社、2000年、ちくま文庫、2014年、伊藤整文学賞受賞)『ルイス・ブニュエル』(作品社、2013年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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