内容説明
格差拡大と貧困の深刻化が大きな問題となっている日本。だが、巨額の財政赤字に加え、増税にも年金・医療・介護費の削減にも反対論は根強く、社会保障の拡充は難しい。そもそもお金がない人を助けるには、お金を配ればよいのではないか―この単純明快な発想から生まれたのが、すべての人に基礎的な所得を給付するベーシック・インカムである。国民の生活の安心を守るために何ができるのか、国家の役割を問い直す。
目次
第1章 所得分配と貧困の現実―生活の安心は企業ではなく国家が守るべし(国家が国民の生活を守る以前の時代;自営経済における資本財としての子;雇用が生活の安心を守っていた ほか)
第2章 ベーシック・インカムの思想と対立軸(功利主義の再分配理論;リベラリズムの所得再分配理論;リバタリアンの所得分配論 ほか)
第3章 ベーシック・インカムは実現できるか(BIは給付と税が一体の制度である;代替財源と考えられるもの;貧しい人々の人数とBIの水準 ほか)
著者等紹介
原田泰[ハラダユタカ]
1950年(昭和25年)、東京都に生まれる。東京大学農学部卒業。博士(経済学)。経済企画庁国民生活調査課長、海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、大和総研専務理事チーフエコノミストなどを経て、早稲田大学政治経済学術院特任教授、東京財団上席研究員。著書『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(日経ビジネス人文庫、石橋湛山賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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