内容説明
名門ハプスブルク家に生まれたマリー・アントワネットは、フランス王妃となり、ヴェルサイユ宮殿で華麗な日々を過ごしていた。だが、一七八九年のフランス革命勃発で運命が急変。毅然と反革命の姿勢を貫き、三十七歳の若さで断頭台の露と消えた。悪しき王妃として断罪された彼女が、後世で高い人気を得、人々の共感を集めているのはなぜか。彼女が目指した「本当の王妃」とは何だったのか。栄光と悲劇の生涯を鮮やかに描く。
目次
序章 バラ色の門出
第1章 ヴェルサイユ宮殿
第2章 トリアノンの女王
第3章 革命勃発
第4章 チュイルリー宮殿
第5章 革命の嵐の中で
第6章 囚われの日々
終章 歴史は流転する
著者等紹介
安達正勝[アダチマサカツ]
1944年(昭和19)年、岩手県に生まれる。フランス文学者。東京大学文学部仏文科卒業。同大学大学院修士課程修了。フランス政府給費留学生として渡仏し、パリ大学などに学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
45
私がマリー-アントワネットと同じ時代に生きていて、彼女と話ができるような境遇にあったとしたら、私はなんとかして彼女を救おうと(あとがき)/御意。受け入れられなくとも、立憲君主の枠内で命脈保っている王家数多ありますよと説得するかな。/フランス人は戦争に勝つために全力を挙げて努力していた。国王と王妃は、フランスが戦争に負けることを願っていた。/ここが最大の分岐点だったかな。/「不幸のうちに初めて人は、自分が何者であるかを本当に知るものです」/アントワネットと言えばこの言葉が思い出されるようになって欲しいな2021/03/26
無花果
44
遠藤周作の《王妃 マリー・アントワネット》を読んでフランス革命に興味が湧いたのでこちらを手に取った。やっぱり高校の世界史までの知識では知らないことが多々。読んでてショックだったのがマリー・アントワネットの理想の恋人、フェルセンがマリー・アントワネットと親密なときにも別の女性とも親密にしてたこと。それにしてもルイ16世は器が大きい!!と更に実感。2014/12/01
鐵太郎
26
マリー・アントワネットの名はどちらもファースト・ネームなのだから、マリー-アントワネットと書くべき、という話から始まります。が、ここは「=」で繋ぐ手も合ったんじゃないかな。日本語は表現の幅が広いのだから。安達正勝さんの手で描かれるマリー-アントワネットという女性は、政治力も広い視野も深い教養も向学心もない、しかし出自に対する誇りと強い意志とそれなりの思いやりを持つ芯の強い女性。彼女がもしフランス王妃でなかったら、フランス革命は起きなかっただろうか。それは謎だけど、彼女は誇り高く屈せず生き抜きました。見事。2022/07/02
やまやま
21
「フィガロの結婚」はルイにより貴族批判が過ぎるとして上映禁止処分を下されるが、MAは別宅プチトリアノンでスザンヌに扮する上演を行うという逸話があった。政治的なことは疎く、流行に敏感なお嬢様のままを残す情景であるが、フランス革命の進捗において、進む方向を選ぶMAのカンが必ずしも流れに乗るものではなかったことが自身および家族に不幸をもたらしたという解釈である。ミラボーやパルナーブなど、立憲君主を支えていける良い参謀がいたにもかかわらず、フェルセンに戻る点を辛く評価しているが、やはり恋人は恋人で代えがたいもの。2021/05/17
e
17
久しぶりの再読。過ちもたくさん冒したけれど最後まで誇りを捨てず戦った彼女はやっぱり憧れの女性です。2020/06/18
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