内容説明
さまざまな「価値」がぶつかり合う、現代の自由社会。その結果、数々の難問が私たちの前に立ちはだかっている。金融危機、中央銀行のあり方、格差と貧困、知的独占の功罪、自由と平等のバランス、そして人間にとって正義とは、幸福とは―。本書は、経済学の基本的な論理を解説しながら、問題の本質に迫る。鍵を握るのは「制度」の役割である。デモクラシーのもとにおける経済学の可能性と限界を問い直す試み。
目次
第1部 自由と責任(税と国債―ギリシャ危機を通して見る;中央銀行の責任―なぜ「独立性」が重要なのか;インフレーションの不安―貨幣は正確には操作できない)
第2部 平等と偶然(不確実性と投資―「賭ける」ことの意味;貧困と失業の罠―その発見から現在まで;なぜ所得格差が問題なのか―人間の満足度の構造;知識は公共財か―学問の自由と知的独占;消費の外部性―消費者の持つべき倫理を考える)
第3部 中庸と幸福(中間組織の役割―個人でもなく国家でもなく;分配の正義と交換の正義―体制をいかにデザインするか;経済的厚生と幸福―GDPを補完するもの;経済学に何ができるか)
著者等紹介
猪木武徳[イノキタケノリ]
1945年滋賀県生まれ。京都大学経済学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了。大阪大学経済学部教授、同学部長、国際日本文化研究センター教授。同所長を経て、青山学院大学大学院特任教授。著書『経済思想』(岩波書店、1987、日経経済図書文化賞、サントリー学芸賞)『自由と秩序』(中央公論新社、2001、読売・吉野作造賞)『文芸にあらわれた日本の近代』(有斐閣、2004、桑原武夫学芸賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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