中公新書<br> 動物に魂はあるのか―生命を見つめる哲学

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中公新書
動物に魂はあるのか―生命を見つめる哲学

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  • サイズ 新書判/ページ数 262p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021762
  • NDC分類 481
  • Cコード C1210

内容説明

人間は動物をどう捉えてきたのか。古代から近代に至る動物論の系譜を辿り、二十一世紀の倫理的な課題を照らし出すスリリングな思想史。

目次

序章 動物の方へ、人間のために
第1章 動物論の前史
第2章 デカルトの衝撃
第3章 魂―物質と非物質の間
第4章 “常識派”への揺り戻し
第5章 論争のフェイド・アウト
第6章 現代の“動物の哲学”
終章 “動物霊魂論”が浮き彫りにするもの

著者等紹介

金森修[カナモリオサム]
1954(昭和29)年、札幌市に生まれる。86年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学、博士(哲学・パリ第一大学)、筑波大学講師、東京水産大学助教授などを経て、東京大学大学院教育学研究科教授。専攻、フランス哲学、科学思想史、生命倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かみぶくろ

65
求めていたものとはちょっと違ったがこれはこれで勉強になった。思想史の学者さんらしい文章と構成で正直ちょっと読むの疲れたけれども。だが動物も痛みを感じるからいたわるべきという「常識的」な学者らしかぬ結論は、その常識に収斂されていく過程を多数の哲学者・思想家の言論展開を延々と見せてくれたおかげでけっこう納得。終章で触れているペットへの厚遇と畜産ジェノサイドとが併存する現状分析はとても興味深く、この論点をこそもう少し掘り下げて読んでみたかった。果たして近い将来完全な人工食肉は産まれるのだろうか…。2015/03/08

那由田 忠

21
18世紀のフランスでこの問題が大論争になっていたということに驚いたので面白かった。カトリックの本流から見れば、天国に行ける魂を持つのは人間だけなので、動物に魂を認めるなど思いもしないと私は考えていた。しかし、フランスでは現実の動物の活動を観察して、ある種の知性を認めざるをえなかったわけだ。いままさに動物の扱い方で大きな変化が起こっている。キリスト教の人たちはどう対処するのかに興味がある。その議論は書いていなかったと思うけど。2019/06/16

佐島楓

19
参考にされるのはデカルトやハイデガーなど西洋の哲学者の文献のみというところに不満を抱いたが、仕方ないのかな。「動物機械論」なんて日本人の感性とは相容れないだろうし。うちのわんこは私が落ち込んでいるととても心配してくれる。難しいことよりそれだけでも救われるからいいかな。2012/10/20

Hepatica nobilis

14
有名な「動物機械論」に代表される17,18世紀フランスの思想家の数々。ラ・メトリ、ヴォルテールとか有名な名前もいくつも登場。そこから20世紀のシンガーの動物倫理まで、ちょっと1冊にするには無理がある。でも17,18世紀のくだりは読み応えがあった。著者が、趣旨に沿わないところをばっさり取捨しているので煩わしさは感じない。最後に到達するのはあえて「常識」というぼんやりした冴えない地点、先鋭な「動物機械論」とは真逆なもの。2022/11/16

Schuhschnabel

12
今学期受講しているゼミの内容とオーバーラップしていたのと金森修の著作ということで読んだ。内容で印象に残ったものは正直ないが、学問の発展には、動物機械論という仮想敵(もちろんデカルトやマルブランシュは真面目に考えていただろうが)が重要な役割を果たすという感じがした。ところで、マイクロバイオーム(ヒトと共生している細菌などの微生物)研究が盛んになってきている今日、腸内細菌が作るセロトニンに依存している人間は果たして機械ではないと言い切れるのか、哲学者の意見を聞いてみたいような気もする。2017/10/21

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