中公新書
中国は東アジアをどう変えるか―21世紀の新地域システム

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021724
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C1231

内容説明

経済規模で、いずれ米国を凌駕すると予測される中国。富と力のシフトにより、世界秩序もまた確実に変容しつつある。しかしヘゲモニーの交代は果たして現実のものになるのか。近年の中国に対する周辺諸国の多様な動向に加えて、鍵を握るのが東アジア社会のチャイニーズ(華人)の急速なグローバル化である。中国の台頭にともない東アジアで起こっている複雑で多義的な事象を的確に理解するための、新しい視座を提示する。

目次

第1章 東アジア地域秩序の変容(東アジア地域システム―その原型;東アジア地域システム―その変容;「東アジア共同体」構築;GMS(大メコン圏)協力
東シナ海の領土問題
中国の変容
米国のアジア再関与
日本の対応
東アジアからアジア太平洋へ
まとめ)
第2章 周辺諸国の行動(タイ;インドネシア;ヴェトナム;ミャンマー;まとめ)
第3章 中国の経済協力(対外政策手段としての経済協力;ミャンマーの事例;ラオスの事例;インドネシアの事例;まとめ)
第4章 歴史比較のために(大元モンゴルの時代;大明の時代;一六世紀末・一七世紀初頭の東アジア;大清の時代;歴史の比較)
第5章 アングロ・チャイニーズの世界(中国=チャイナ、チャイニーズ;「まなざし」の変化;東南アジアのチャイニーズ―その先史;チャイニーズの形成;「日本化」と「アングロ・サクソン化」;アングロ・チャイニーズの台頭;ふたたび、「中国」とチャイニーズについて;まとめ)

著者等紹介

白石隆[シライシタカシ]
1950年生。東京大学教養学部教養学科卒業。コーネル大学Ph.D.。東京大学教養学部助教授、コーネル大学教授、京都大学東南アジア研究センター教授を経て、政策研究大学院大学学長。2007年、紫綬褒章受章。主著、An Age in Motion:Popular Radicalism in Java,1912‐1926(Ithaca:Cornell University Press,1990,大平正芳記念賞)。『海の帝国』(中公新書、2000年、読売・吉野作造賞)

カロライン,ハウ[カロライン,ハウ][Caroline,Hau]
1969年生。フィリピン大学卒業。コーネル大学Ph.D.。フィリピン大学講師、助教授を経て、京都大学東南アジア研究センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロッキーのパパ

17
21世紀に入り、経済的・軍事的に台頭している中国が東アジア(一般的に東南アジアと言った方がふさわし気がするエリア)に及ぼす影響を論じている。地政学、歴史などについて資料をきちんとしていて、学問的にはしっかりとした内容だと思う。特に、中国の海外援助の実態や「チャイニーズ」と中国政府の意識の違いは参考になった。ただ、中国政府がどう進もうかについて書かれていないのが気になる。特に、尖閣諸島の問題がホットな時期なので、その点を知りたくて手に取る人も多いと思うだけど。2012/09/27

ながぐつ

5
8年前の本で、ちょっと時代の変化を感じた。インド太平洋での連携は、対中包囲網的で、どうもなさそうだというのが、変わってしまった。 また、経済的連携と安全保障的連携の関係性が欧州とは異なって一致していない東アジアは、地域システムとして欧州と異なる事を気づいた。また、歴史的な背景も面白い。確かに欧州に比べて国家間戦争が圧倒的に少ない。しかし、この朝貢システムは復権しそうにない。 アメリカが築いたアジア太平洋貿易システムも、崩壊が起こるとはまだ考えられず、この先も当分はこのシステム内での変動に留まる気がする。2022/06/02

hitbari

2
従来の枠組み、考え方は、わかるが、どう変えるって。 学術的な感じ。2018/07/01

海二見

2
世界第2位のGDPと経済成長が進む中国であるが、そのような現状のなかで「中国が東アジアの覇権国になる」という世論がある。本書では、そのような世論を複数の視点から反証していく。論文が元であり各章ごとに独立し、章末にまとめがあるという変わったスタイル。なので、本全体ではあまり纏まりがない印象…。2015/02/21

Keisuke Hosoi

2
中国の東南アジア各国への経済的浸透のさまと、受ける東南アジア各国の中国との距離のバランスの取り方が克明に描写されている点が参考になる。さらに中国国外の中華系の人々の多様性と彼らと中国都市部の中産階級との連続性の視点も新鮮。ただ「かれら国外の中華系中産階級~中国都市部の中産階級がアングロサクソン的な価値観を共有している」という見立てはどうなのか?例えば日本人にとっては「十分な経済的余裕が与えられれば政治的に沈黙する」という非アメリカ的発想は理解可能だが。むしろ最も非米国的なのは日本人かもしれない?2012/09/10

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