中公新書<br> 印象派の誕生―マネとモネ

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中公新書
印象派の誕生―マネとモネ

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  • サイズ 新書判/ページ数 227p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020529
  • NDC分類 723.35
  • Cコード C1271

内容説明

華も艶もある色彩、柔らかなフォルム、具体的で親しみやすい画題。目にも心にも優しい印象派の作品だが、創作の根底にある「印象」とは何なのだろうか。ルネサンス以来の伝統に支配されてきた西洋の美意識は、マネやモネの登場によって、決定的な変化の時を迎える。本書では、印象派誕生に焦点をあて、その革新性に迫っていく。多彩な人物たちが交錯した一九世紀中葉パリの濃密な空気がここによみがえる。図像資料多数。

目次

第1章 印象派の成り立ちを見てみよう(“バティニョル街のアトリエ”;残りの三人 ほか)
第2章 スキャンダルの真相(落選展の“草上の昼食”;なぜ、大スキャンダルになったのか ほか)
第3章 マネのリアリズム(魅力の源泉;“鉄道” ほか)
第4章 光の画家モネ(制作するモネ;クールベの“画家のアトリエ”と比べてみよう ほか)
第5章 マネの「印象」とモネの“印象”(「印象派」の名付け親;第一回展のキーワード ほか)

著者等紹介

吉川節子[ヨシカワセツコ]
1952年生まれ。75年、東京大学教養学部教養学科卒業。88年、同大大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、武蔵大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤギ郎

11
近代美術の一派「印象派」の誕生を語った本。副題にある巨匠マネとモネに限らず,関連する画家さんもちゃんと登場する。画家といえば,屋外制作をする人,「アトリエは外だ!」と主張するような人をイメージするが,実際は,印象派の人々が活躍する前までは,工房で制作活動をしていたらしい。それを大きく変えたのが,印象派画家の生きていた時代に発明されたチューブ入り絵具だそうだ。この本の残念なところとして,ジャポニズムの記述がまるで無い。特に晩年のモネにとってジャポニズムは大きいんだよね。2017/11/14

ヤギ郎

11
マネとモネの二人の画家を中心に「印象派」について書いた本。2015/10/01

hit4papa

11
19世紀後半フランスに誕生した印象派というムーブメントを、その中心人物であったマネとモネを通して概観するものです。当時の伝統的な西洋絵画に反旗を翻すがごとく、とんがった存在であったことがわかります。後世に名を残す人々は、道を切り開いていく情熱があってこそなのですね。

m

8
モネ展の予習に読んだが、内容はほぼマネだった(笑)モネの話なんて最後にちらっと出てきたくらい。取り扱われることが少ないバジールについても言及されており貴重。彼の描く作品をもっと見てみたかった。戦争がなければと悔やまずにはいられない。そしてマネの作品に秘められた静物トリロジー。初めて知る話で勉強になった。知らないことがまだまだいっぱい。印象派がその名で呼ばれることは偶然ではなく必然だったんだなぁ。2015/11/13

わいほす(noririn_papa)

8
オルセー美術館展を見終わった後のショップで購入。マネが「草上の昼食」(水浴)でサロンの伝統に挑戦的な絵を描き、印象派の先駆者であったことは知っていても、その一見冷たく見える人物像にもまた伝統への挑戦と彼の描く「印象」があったことを知った。その「草上の昼食」を観たモネが、それを越える(自分なりの光の画家として)「草上の昼食」を描き、それを観たマネが、もともと「水浴」という題名だったのを「草上の昼食」と変えている。二人はまさによき友であり理解者でありライバルであった。2014/09/15

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