出版社内容情報
聖堂の壁画やステンドグラスは何のためにあるの? エフェソス、ラヴェンナなど中世の香り漂う町をめぐり、その謎と奥深い魅力に触れる
内容説明
古代ギリシア美術といえば「ミロのヴィーナス」、ルネサンス美術といえば「モナ・リザ」。さて、典型的な中世美術といえば、何だろうか。キリスト教美術というイメージもあって日本人にはとっつきにくい印象があるが、先入観を取り払って見てみれば、奥深く多様な魅力に溢れている。エフェソス、ラヴェンナ、ブリュージュなどの遺跡や町をめぐり、大聖堂のステンドグラスを見上げながら、未知の世界に触れよう。
目次
中世美術とキリスト教
古代から中世へ
王国の夢―ラヴェンナ
市民たちの信仰
聖堂の壁画
聖遺物
イコンと祭壇画
中世の町
巡礼
修道院
写本
中世の建築家―カンタべりー
著者等紹介
浅野和生[アサノカズオ]
1956(昭和31)年生まれ。大阪大学大学院博士課程中退。ギリシア国立アテネ工科大学建築学部美術史学科留学(ギリシア政府給費留学生)。愛知教育大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Nat
38
          
            図書館本。中世の人々が作品を作ろうとした意図やいきさつ、制作の過程や技法などを様々な視点から解説している。聖堂の壁画や聖遺物の章やイコンと祭壇画、中世の町の章など興味深い記述が多かった。2021/06/12
          
        サアベドラ
13
          
            西洋中世美術よもやま話。著者の専門はビザンティン美術。祭壇画や修道院建築、写本などのカテゴリーごとに著者が気に入ったエピソードをいくつか紹介し、それをもって一般読者に中世美術の楽しみ方を示そうという意図。著者がビザンツ屋だからかビザンツや東欧の割合が多く、中世美術全体というよりビザンツの美術と歴史の紹介になっている気がする。中世美術の概要を知りたいのであれば他の本にあたったほうが良いだろう。2015/01/31
          
        mahiro
6
          
            新書にしては読みやすかった。ビザンティンからロマネスクゴシックあたりまでの美術を聖堂、イコン、写本、聖遺物などのジャンルに分けて当時の情勢や民衆の心情などを説明しているのが分かりやすかった。又よく言われるような聖堂の壁画やステンドグラスの絵物語を、文字の読めない民衆に分かりやすく聖書の話を伝えるため…と言う説明に異論を述べているのが面白かった。著者の主張に全面的に賛成はしないが一つの事に色々な解釈があるのは読んでいて楽しい。2014/08/16
          
        のんき
6
          
            概説的なものではなく、著者お気に入りのものをピックアップしてそれを中心に解説していく。そのため地域や時代があちこちに飛んでしまうきらいはあるけれども、それも従来の中世のイメージとは違う中世の姿を提示してみたいという著者の思いの表れなのかもしれない。キリスト教については、知っている方がより面白く鑑賞できるけど知らないからと言って理解できないというものでもない、というスタンスで書かれているのが有難かった。2010/02/18
          
        T M
5
          
            キリスト教美術だと一般的に考えられている中世美術について、そのステレオタイプな一面だけでなく種々のエピソードで様々な面を浮かび上がらせるために書かれたもの。著者は中世美術を愛しておりもっと広く知ってほしいとの思いが散りばめらている。中身は、聖堂の壁画、建築、聖遺物、巡礼等々キリスト教の重要ワードに纏わる中世のエピソード。中世美術は日本人になかなか馴染みのないものなので入り口に立たせてもらうという意味で良い本だった。概論として読むには不向き。なお、対象は東欧中心。2016/11/23
          
        


 
               
              


