中公新書<br> ナチスと映画―ヒトラーとナチスはどう描かれてきたか

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中公新書
ナチスと映画―ヒトラーとナチスはどう描かれてきたか

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019752
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C1274

出版社内容情報

最大のプロパガンダとして用いたナチ時代の映画政策と、戦後映画の中で彼らが典型的な悪役からいかにイメージを変遷させたかを描く。

内容説明

第二次世界大戦で数千万もの人々を死に追いやったヒトラーとナチス。彼らは新興メディアだった映画をプロパガンダの最大の武器として活用した。一方で戦後、世界の映画産業は、わかりやすい「悪」の象徴として、ヒトラーとナチスを描き続ける。だが、時代とともに彼らの「評価」は変わっていく。本書は、第1部でナチ時代の映画を、第2部で戦後映画での彼らのイメージの変遷を描き、「悪」の変容と、歴史と「記憶」の関係を探る。

目次

新しいメディア・映画の登場
第1部 ナチスの時代(ヒトラーとゲッベルス;映画統制―検閲と「評価付け」;プロパガンダと映画)
第2部 ヒトラーとナチスの戦後(同時代人が描いたヒトラー像;「悪の定番」としてのナチス―一九五〇~六〇年代;「美しく魅力的」な表象へ―一九七〇年代;ホロコースト映画の変遷―一九八〇~九〇年代;新しいナチス像―二〇世紀末;「身近な存在」になった独裁者―二一世紀)
創られる「記憶」

著者等紹介

飯田道子[イイダミチコ]
1960年(昭和35年)大阪府生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒業。92年立教大学大学院ドイツ文学科博士課程単位取得退学。現在、立教大学、学習院大学、青山学院大学、青山学院女子短期大学、早稲田大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

108
ナチスが映画をうまく宣伝に利用していたことは結構広く知られています。特に宣伝相のゲッペルスがそのようなものをすべた含めたマスコミ対策をうまく行い、レニ・リーフェンシュタールやベルリン・オリンピックを利用して人気取りをしていたようで今の安倍政権に似ている気がします。あまり深くは説明していませんが戦後のヒトラー関連の映画についても説明してくれて結構新書の割には参考になりました。今もナチス関連の映画が2本かかっています。2015/10/26

つちのこ

38
ナチスやヒトラーをモチーフにした映画が現在でも量産されているのは何故なのか、ずっと疑問に思っていた。捉えどころがない虚像と実像を悪の象徴としてばかりでなく、チャップリンの『独裁者』ではその蛮行を茶化すことで批判しているのが面白い。様々な解釈と角度から描くことができるのは、人々を惹きつける魅力的なモチーフだからこそだろう。映画をプロパガンダの手段として使ったナチスが、戦後はプロパガンダの道具として、多くの映画に描かれたのは皮肉なめぐり合わせである。ヒトラーの一挙手一投足もプロパガンダの産物だったのだろうか。2023/08/07

蘭奢待

33
ゲッベルス、リーフェンシュタールが主導した映画によるナチスのプロパガンダ。ナチス党大会、ベルリン五輪のリーフェンシュタール作品が、映像美を主題として結果ナチス、ヒトラーを賛美する結果となった。戦後ドイツではタブーとなったヒトラーだが、統一後色々な形で映画に表現されてきた。 参考資料としての文献の一覧、ヒトラーを扱った映画の一覧が巻末に付いている。網羅性は高くないが、かなりの量のリストになっておりリファレンス価値あり。2018/11/04

はやしま

27
構成は概ね「ナチス時代の映画」と「戦後の映画におけるヒトラー及びナチス」の二部。関連映画がほぼくまなく取り上げられており映画解説的に読むには最適。ただ中公新書として期待して読んだからか全般的に議論が弱いと感じてしまった。原因は1)紙面の足りなさ、2)映画作品それぞれの持つ力の方が大きくそれらの解説のようにしか読めなかった、の2点ではないかと思う。上記構成の二部を分冊して出版するか、映画の資料は本書のように後ろにまとめたものに委ね、本編は分析・議論に徹した方が良かったのでは。2016/10/29

tom1969

20
確かに、映画をプロパガンダとして利用しながら、敗戦とホロコーストからは、映画は喜劇であったり、独特の人間性にスポットしています。中々興味を持てました。今の時代もメディアは違えどプロパガンダは変わりばえしないのが残念です。2016/12/29

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