出版社内容情報
私たち日本人がこれから最も気をつけなければならない感染症とは何か? 治療よりも予防が大切。感染症の基礎知識を身につけよう。
内容説明
人や物の移動が絶えない今日、病原体は国境を越え広汎に伝播する可能性が高まった。しかし危険な感染症すべてが世界中に広まるわけではない。本書では、伝染病との闘いの歴史、病原体の種類や性質、伝播の基礎知識から、私たちがこれから気をつけるべき感染症までを取り上げ、感染症の過去、現在、未来を浮き彫りにする。新型インフルエンザや、将来起こりうる感染症を「死に至る病」としない実践的知恵を身につけよう。
目次
第1章 病原体の伝播経路を知る
第2章 清潔化の歴史
第3章 清潔社会で起こる感染症
第4章 世界のなかの感染症
第5章 新型インフルエンザ
第6章 エイズ/性感染症
著者等紹介
井上栄[イノウエサカエ]
1940年(昭和15年)、山梨県生まれ。東京大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。国立予防衛生研究所(予研)ウイルス中央検査部研究員、国立公衆衛生院衛生微生物学部長、予研感染症疫学部長を経て、国立感染症研究所(感染研)感染症情報センター初代センター長。2000年、定年退官、感染研名誉所員。大妻女子大学教授、健康教育に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
246
マスクを配る案もここにあって驚いた。SARS時代の話しはやはり面白いし今のコロナ禍に繋がる。ウイルスも集団で意志をもって動いているような気もする。2020/06/26
やすらぎ
19
感想を書かずに手放すことにしました✨2020/02/01
マルレラ
18
今となっては当たり前になりつつある感染症対策の基本的な情報を踏まえ、人類が直面している(直面してきた)ウイルスについて体系的に説明されている本。感染症に関して分かりやすく解説された良書でした。 エンベロープを持っていて高温多湿には弱いと説明されているコロナウイルスが、夏でも感染力を持続出来ている所が疑問に思いました。 新興感染症が発生した際は拡大しないように対応する事が最優先ではあるが、既に広まった場合の対応策(どの程度の対策を行うのかなど)も過去の教訓から考えておく必要があると感じました。2022/08/27
Nobu A
15
新型コロナウイルス発生を契機に勉強したくアマゾンワンクック購入。2006年初版。今回のコロナ禍に伴った嬉しい2020年増補版。病原体と世界の歴史を振り返り、日本人のSARS感染者ゼロの理由やエイズへの今後の対応等、多岐に渡って非常に興味深い内容。抗体体得やワクチン開発後も新たな感染症が現われ、終わることがない病原体との付き合い。世界一清潔化した日本社会で正しい知識と適切な予防が不可欠。情報が溢れる時代、断片的な情報や語調で受け取る印象が変わるメディアより本著一読の方が体系的且つ客観的に学べて良いと思った。2020/05/05
syuu0822
7
感染症についての基礎知識を得たいと思い、読みました。著者は国立感染症研究所に勤めていた方で、かなり信頼できるかと思います。 内容としては、SARSや鳥インフルエンザを起点とした新型インフルエンザ、ノロウイルスなどお馴染み(?)の感染症から、花粉症やエイズなど、各感染症のウイルスの特徴が幅広く書かれております。 興味深かったのは、強毒性のウイルスほど宿主を殺してしまいやすいために、感染力としては弱い傾向にあるということでした。 ということは新型コロナも弱毒性ということなのでしょうか? 2020/03/23