出版社内容情報
マーシャルにはじまるケンブリッジ学派を貫く実践志向。現実に応えるための経済理論はどのように継承発展されたのか。俊英による経済思想史。
内容説明
「すべてはマーシャルにある」。ケインズに帰される革新的諸概念の多くは、マーシャル以来ケンブリッジでは共有財産となっていた。本書は、対立軸を設定しながら、マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、そしてケインズの経済学を読み解き、ケンブリッジ学派を貫く実践志向を浮き彫りにするものである。現実に応えるための経済理論は、どのように継承され、発展したのか。時代と格闘した学派をめぐる経済思想史。
目次
序章 理論と現実の狭間で―cool heads but warm hearts
第1章 科学者と説教者―A.マーシャル
第2章 光明と果実の葛藤―A.C.ピグー
第3章 進歩と安定の不調和―D.H.ロバートソン
第4章 貨幣と実物―R.G.ホートレー
第5章 伝道者から反逆者へ―J.M.ケインズ
補論 その他の人物
著者等紹介
伊藤宣広[イトウノブヒロ]
1977年(昭和52年)、三重県桑名市に生まれる。京都大学経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。京都大学博士(経済学)。2005年4月より、立教大学経済学部助手。専攻、近代経済学史、現代経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
57
副題にあるようにケンブリッジ学派の経済学の系譜ということで、マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、ケインズの人物と学説紹介です。この分野について研究しようという人にとってはいい入門書だと思います。わたしはホートレーについてはほとんど知らなかったのでいい勉強になりました。文献案内もしっかりしています。2015/09/17
神紙
2
本著の中で、ケインズ以前のケンブリッジ学派については読まれなくなったとありましたが、実際学部生レベルではなかなか耳にしなかったなと。私自身勉強不足で理論的な部分の理解は困難でしたが、ケンブリッジ学派に連なるその思想の連続性というのは従来知っていたものとは異なっており、新鮮な視点であると感じました。筆者である伊藤氏はマーシャルをお好きだということはゼミ生からお聞きしていましたが、それを実感できる一冊だったと思います。2015/04/06
takao
1
ふむ2024/09/24
海二見
1
マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、ケインズとケンブリッジ学派を担った経済学者について。それぞれの人物の関係性や価値観など。個人的にはロバートソンとケインズの説明が気に入りました。2012/11/09
Keisuke Hosoi
1
ケンブリッジ学派なるものの経済理論とその背後にある思想についての本。マーシャルもホートレーも何も知らなかったので、書いてあることはほわっと頭に入ったくらいでよく分からない。ただオーソドックスなマクロ経済学の教科書の知識となんとなく結びつけて読めた気がする。再読を要するか2012/04/27
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