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中公新書
江戸人物科学史―「もう一つの文明開化」を訪ねて

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  • サイズ 新書判/ページ数 340p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018267
  • NDC分類 402.1
  • Cコード C1240

出版社内容情報

戦国期から江戸期にかけて、日本の科学技術は大変革を遂げた。「もう一つの文明開化」の先駆となった36人の事績を縁の地に訪ねる。

内容説明

日本に「もう一つの文明開化」があった。鉄砲伝来から日米和親条約に至る時期である。特に江戸時代には、漢学的素地の上に南蛮文化が彩りを添え、蘭学が栄えて、重層的、多面的な学問風土が醸成された。明治以降の近代化は、この長い熟成期があって初めて達成できたものなのである。身分を問わず、旺盛な知的好奇心と飽くなき探求心によって科学的思考を進め、新技術を開発した先人三十六人の事績を、ゆかりの地に訪ねる。

目次

第1章 江戸前期―生年一五五四~一六六八(角倉了以―水運開発の豪商;千々石ミゲル―西洋理法への開眼者 ほか)
第2章 江戸中期―生年一六九一~一七三八(丹羽正伯―薬園開祖の本草学者;青木昆陽―蘭学を先導した甘藷先生 ほか)
第3章 江戸後期―生年一七四七~八九(司馬江漢―夢中の窮理銅版家;山片蟠桃―無鬼論の大坂町民学者 ほか)
第4章 幕末期―生年一七九三~一八三八(渡辺崋山―蘭学の大施主;宇田川榕庵―近代化学の先駆者 ほか)

著者等紹介

金子務[カネコツトム]
1933年(昭和8年)、埼玉県川越市に生まれる。1957年、東京大学教養学部教養学科卒業。読売新聞社記者、中央公論社編集者を経て、1985年、大阪府立大学大学院人間文化学研究科教授。同大評議員、総合情報センター所長を務める。その後、図書館情報大学(現、筑波大学)教授、帝京平成大学教授、放送大学客員教授を歴任。大阪府立大学名誉教授、国際日本文化研究センター共同研究員、形の文化会会長、(財)日本科学協会理事、(財)松ヶ丘文庫理事。専攻、科学思想史、科学技術論、情報文化論。著書『アインシュタインショック』(第3回サントリー学芸賞、河出書房新社、のち岩波現代文庫、全2巻)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tsubomi

7
2021.09.01-10.28:江戸時代の初期から幕末までの科学技術者、哲学者などを紹介した本。千々和ミゲル、前野良沢、渡辺崋山、小栗上野介、上野彦馬など有名人もいますが、東北や九州などの地方在住者も取り上げられていて、興味深い内容。また、日本人だけでなくプチャーチンなど外国人も取り上げられています。三浦梅園など今までほとんど知らなかった人物も多く、しかも江戸時代にここまでの知識と理解を会得していたのか!と驚くほどの人ばかり。この本をきっかけに興味を持った人物をさらに深く知りたいと思いました。 2021/10/28

果てなき冒険たまこ

3
「身分を問わず旺盛な知的好奇心と飽くなき探求心によって科学的思考を進め新技術を開発した先人36人の事績」ってあるからかなり期待して読んでみたけどその先人さんのお墓紹介とかあったりしてしかも36人を新書(300ページ強)で語るのはちょっと無理があった。読んでる途中に駆け足ばかりで疲れてしまった。2023/05/13

ごん

2
明治時代に日本が急速に近代化を成し遂げたのは、江戸時代の蘭学の流行によりその準備ができていたからとする著者の主張には同感です。この本に取り上げられているのは36人の先人ですが、恐らくもっと多くの無名の先達がいたのだろうなと思いました。2020/07/13

tkm66

1
元ネタは冨山書房・森銑三『おらんだ正月』、じゃないのかな?2005/12/18

編集兼発行人

0
江戸時代の我国に足跡を残した科学者達に関する評伝集。鉄砲の伝来から蘭学の勃興を経て洋学への移行に至るまでの段階的な変遷に留意しながら四十弱の人物群による功績と其の背景とについて各々が十頁程度の分量で紹介するという構成。解剖学的なミクロ感と海洋地理学的なマクロ感との振幅内で技術革新と学術研究が徐々に進行し近代化が胚胎してゆく模様を眺めるにつけ国策との薄弱な相関(≒熱意ある個人による趣味の延長が幕藩体制全体には決して及ばなかったこと)が明治維新後の総体国家形成による爆発的な産業振興を結果的に齎したものと理解。2014/11/18

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