中公新書
白隠―禅画の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017994
  • NDC分類 721.3
  • Cコード C1215

内容説明

禅画はむずかしいと言われる。なかでも、江戸中期に臨済禅を再興した白隠は、特異な画風で知られ、これまで誤って理解されることも多かった。しかし、禅画とは本来「言葉で表現できない禅的メッセージ」を伝えるものである。白隠の禅画も、彼の事跡や著作、その時代背景を丹念に検証することによって、そこにこめられた意図がストレートに浮かび上がってくる。多様な作品を読み解きながら、禅画の世界へいざなう。

目次

序章 白隠という人
第1章 富士山と白隠
第2章 キャラクターとしてのお多福と布袋
第3章 多様な画と賛
第4章 さまざまな仕掛け
第5章 南無地獄大菩薩―白隠の地獄観
終章 上求菩提、下化衆生

著者等紹介

芳沢勝弘[ヨシザワカツヒロ]
1945年、長野県生まれ。同志社大学卒業。財団法人禅文化研究所主幹を経て、花園大学国際禅学研究所教授(副所長)。専攻・禅学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

10
5月に京都国立博物館で「禅展」を見て、惹かれた絵があった。それが白隠という禅師が描いたものだということを知り、白隠をもっと知りたくなった。力強く、ユーモアも感じる。もっと白隠のことを知りたくなった。2016/07/28

めん

4
白隠慧鶴禅師は、江戸という新しい時代に、庶民階級をも対象に含め、さまざまなメディアを駆使して、禅を喧伝した。本書は、白隠の禅画の意味を究明、「言葉では言い表せぬ真理」を伝える新奇な表現方法を解説している。•白隠の絵は、仏性・自性という禅の根本を表すばかりでなく、同時代の政治・社会問題へのメッセージを含む。•白隠禅画に登場する布袋さんは、白隠の分身。白隠布袋の「慈眼視衆生、福寿海無量」の実践行。背中の袋には無量の福がつまっている。/白隠の健康について知りたかったが、選書が違った。面白かったのでよし。図書館2022/04/18

kinoko-no

3
戯画と思われていた絵の中に隠されていた宗教的メッセージ。これほどまでに細やかに濃く、そのメッセージを含めていたとは。2010/01/23

Wataru Hoshii

2
白隠展の復習。白隠の禅画は絵も賛も重要性においては同等であり、常にテクストとイメージの相互作用を意識して見るべきというのが展覧会で学んだこと。そしてそのテクストとイメージの背後にある豊饒な意味的世界のさわりを、白隠研究の第一人者が紹介しているのが本書。庶民文化を利用しながら、禅の思想を体感させるのが白隠の戦略なので、その画の理解には、臨済宗をはじめとする禅だけでなく、当時の文化事象についての広範な知識が求められる。かなり難解で、裏読みしすぎなんではと思うほど。敷居は低いのに、奥行きがかなり深い。2013/02/23

瀬尾

2
白隠の描く絵の力強さ、その絵に込められたメッセージも絵のように力強く訴えている。そのことが、この本を読むと分かりやすく解説されているので、楽しみながら白隠の禅画に親しむことができた。2012/08/18

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