出版社内容情報
生きた時代や出身地、身分・職業を異にする六人の著名人の生涯を通して、スペイン千年の歴史を描く。
内容説明
国土回復のイスラム掃討戦で勇名を馳せた伝説の騎士エル・シド、皇帝カルロスの生母ながら幽閉の半世紀をすごした悲劇の女王フアナ、新大陸支配における同胞の悪行を告発した修道士ラス・カサス、不朽の名作『ドン・キホーテ』の著者セルバンテス、数多の傑作を描き残した宮廷画家ゴヤ、そして未完の聖堂サグラダ・ファミリアの建築家ガウディ。時代や出身地、活躍した分野もさまざまな六人の生涯を通して千年の歴史を描く。
目次
1 騎士エル・シドの物語
2 女王フアナの物語
3 聖職者ラス・カサスの物語
4 作家セルバンテスの物語
5 画家ゴヤの物語
6 建築家ガウディの物語
著者等紹介
岩根圀和[イワネクニカズ]
1945年(昭和20年)、兵庫県に生まれる。神戸市立外国語大学大学院修士課程修了。現在、神奈川大学外国語学部教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
24
レコンキスタからガウディまで、スペインは熱い!2017/03/26
PAO
19
「この残虐なスペイン人のどこがインディオより優れているといえるのか」…新大陸を略奪するだけ略奪したスペインにもラス・カサスのようにインディオを擁護しようとした人がいたことを初めて知りました。スペイン旅行の二冊目のお伴に読みましたが、グラナダで狂女ファナのお墓を訪れ、プラドでゴヤの『わが子を喰らうサトゥルヌス』を観賞し、バルセロナでサクラダ・ファミリアに入場し、ガウディの事故現場の近くを通ってきましたので、各々の物語を一層身近に感じることができました。またエルシドはヘストンの映画と随分違っていて意外でした。2019/02/20
健
10
もはや「スペインの歴史」とは言えない「物語 スペインの歴史 人物編」だった。取り上げられたのは、騎士エル・シド、女王ファナ、聖職者ラス・カサス、セルバンテス、ゴヤ、ガウディの6名で、セルバンテスに至っては晩年に巻き込まれた事件のみ。それでも、各エピソードがあたかもその場を目撃しているかのように物語風に語られて興味深く、楽しんで読み進めることが出来た。一種の伝記集と言っても良いのではないだろうか。これを切っ掛けにスペインの歴史を深掘りしていくのも「あり」なのかなと思えてきた。2022/10/17
karutaroton
10
2006/8のレビュー。これ面白かったと記憶してるなー --- エル・シド,フアナ,ラス・カサス,セルバンテス,ゴヤ,ガウディの6人に関する話を元にスペインの歴史勉強にもなるという本。 いきなり一人称になったりする文章が良いし,話の選び方も面白い。セルバンテスなんか,いかにしてドン・キホーテが作られたかを書いているのかと思いきや,住んでた共同住宅の前でおきた傷害事件についての話だし。。 姉妹書である,歴史側から書かれている「物語 スペインの歴史」も是非読ませていただきたいです。2019/01/09
pitch
8
スペインの歴史を、6名の人物伝で語る。ガウディもゴヤも、女王フアナのこともあまり知らなかったので、読んで損したとは思わないが、(学者である著者が小説風に書こうとした結果)余計な描写が多いのが難点。各章の終わりのコラムのほうが面白かった。2019/12/30