中公新書<br> 武士と世間―なぜ死に急ぐのか

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中公新書
武士と世間―なぜ死に急ぐのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017031
  • NDC分類 156
  • Cコード C1221

内容説明

「武士道」という言葉は、現代のわれわれにとっても高い倫理性や無私の精神を感じさせる。ではなぜ、武士たちはそのような厳しい倫理観を身につけたのか。その行動と判断は何に拠っていたのか。本書は、武士にこそ、世間が最も大きな重圧としてのしかかり、その道徳的基準となっていたことを多くの史料から実証し、絶えず死を覚悟して事にあたらねばならなかったサムライたちの切実な姿を浮かび上がらせる。

目次

第1章 死を望む武士たち
第2章 赤穂事件と世間
第3章 武士の名誉心と外聞
第4章 細川ガラシャと恥の感覚
第5章 殉死と世間の目
第6章 世間の思惑
第7章 武士と世間

著者等紹介

山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年(昭和32年)、岡山県に生まれる。東京大学文学部国史学科卒業。同大大学院人文科学研究科修士課程修了。日本近世史専攻。現在、東京大学史料編纂所教授。文学博士。92年、『江戸お留守居役の日記』で、第40回日本エッセイスト・クラブ賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

目黒乱

10
武士道といっても、世間という厳しい監視(嫉妬)の目のもとに要求された倫理であるということか。2015/04/05

印度 洋一郎

6
中世から近世にかけて、名誉ある死を求める侍がやがて"世間"という概念を形作っていく事を検証した本。江戸時代に入り、殉死が注目されるようになると、余り理由も定かでないのに「華々しく死にたい」ので便乗して死ぬ者の唐突な行動や、逆に周りから死ぬと思われていて死ななかった者への社会的な厳しい制裁に、今に通ずる"世間"という概念の形成を見る。特に武士は、体面が大事な階級だったから、自ずから世間の目や風評を意識せざるを得ず、そこに「死を恐れず」という武士の倫理と表裏の関係にある嫉妬が巨大な力を発揮する。今と同じだ。2013/10/22

みなみ

5
この本に登場する武士の行動原理は全く理解できないが、自分の主観が第一(自分が聞いてないと思ったら相手が言ったかどうかは関係なく確かめるでもなく切腹する)なのは今にも通じるメンタルだと思う。あと、武士を支配する「世間」が、実は嫉妬から来るという指摘が興味深かった。2019/09/26

るい

4
中世の武士は、「弓矢取る者のならい」という言葉で、今で言う武士道にあたる倫理観をもっていた。それは、名と利を求めて積極的に生き、かといってそれを得るのに失敗したときは潔く死を選ぶ覚悟をもつということだった。そこで、重要視されたのは「世間」という感覚。今の世間とはまた少し違う、公の目を重んじていた。知りたかったことを知ることができた一冊。2017/11/17

スズツキ

4
歴史の中公新書を証明するような資料の依存度でそれが強みであり、反対に現代なら選書や単行本レベルかなというとっつきにくさもあるかもしれない。2015/06/12

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