内容説明
昆虫はなぜ六本足なのか?ダイヤモンドはどうやってできるか?こうした疑問を抱くのは、子どもたちばかりではない。ふしぎな自然の営みは、われわれの好奇心をも刺激してやまない。本書では、「オトシブミのゆりかご」「熱帯雨林の妖怪ラフレシア」「象歯年代記」ほか、動物、植物や化石・鉱物にまつわる全32話を収録。思わず子どもに話したくなる、とっておきの話を披露する。バラエティに富んだ科学エッセイ。
目次
1 オトシブミのゆりかご(究極のリサイクル―糞食;シングルライフとレイプ;チョウは悪食 ほか)
2 熱帯雨林の妖怪ラフレシア(ランの増殖;日本一の里山;巨木の秘密 ほか)
3 象歯年代記(フズリナ化石が語るプレート運動の謎;古生代は失われた楽園?;みかげ石が教えてくれたこと ほか)
著者等紹介
河合雅雄[カワイマサオ]
1924年、兵庫県に生まれる。京都大学理学部動物学科卒業。理学博士。京都大学霊長類研究所教授、同所長、(財)日本モンキーセンター所長、日本霊長類学会会長などを歴任。京都大学名誉教授。現在、兵庫県立人と自然の博物館館長、丹波の森公苑長。専攻、生態学、人類学。著書に『少年動物誌』(野間児童文芸賞推奨作品賞、福音館文庫)、『小さな博物誌』(産経児童出版文化賞、筑摩書房)、『人間の由来』(毎日出版文化賞、小学館)ほか多数
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感想・レビュー
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とんこ
27
現住の兵庫がよく出てくると思ったら、執筆が「兵庫県立人と自然の博物館」の研究員さん達によるものらしい。短いながらもそれぞれ専門分野のお話なので興味深い。1時間づついろんな講義を聞いた気分。出だしの何編かがめちゃくちゃ気を引くネタが多いので、後半も面白いのに失速した感を感じちゃう(ウサギの糞食とかオランウータンのレイプとか蝶は死体にも集まるとか。)図や写真が殆どないのでスマホ片手に読む。ちなみに再読だけどほぼ覚えてなくて新鮮な気持ちで読んだ。2024/10/02
スプリント
3
誰かに話したくなるトリビアが満載です。研究者の方の熱意が伝わってきます。2013/09/30
rinpei
2
「図鑑の功罪」、これが一番心に残った。ただ、昆虫の異名、地方名がなくなり、魚類のそれらが今なお通用するのは、昆虫に関心を寄せているのが、主に子供たちであり、彼らの文化がここ半世紀の間に急速に変わり、子供たちが外で集団で遊ばなくなり年上の子から年下の子に知識の伝達がなされなくなったこと、子供の関心の多様化などにより昆虫少年が少なくなったことに寄るところが大きく、他方魚類は釣或いは料理など、元々大人が中心に関心を寄せており、またそうした人々の数も増えており、昆虫でみられた弊害がなかったことによるものでは。2019/03/16
★★★★★
2
「兵庫県立人と自然の博物館」のスタッフ執筆による自然史エッセイ集。内容はピンキリかな。個人的にはエイコアブラバチの話が一番心に残りました。自然って面白いですよね。2009/10/09
たけし
1
動物・植物・鉱物など多岐に渡る分野の文章を集めた一冊。こういうカテゴリーの本はなんて言うのだろう…やっぱり博物誌になるのかな。2021/05/30
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