内容説明
わたしたちの社会は、さまざまな倫理的難問に揺さぶられている。なぜ人を殺してはいけないのか。なぜ援助交際はいけないのか。行為の善悪に報いる神は存在するのか。本書はこうした難問に、旧新約聖書を軸に、ユダヤ・キリスト教思想、さらにギリシア哲学を読み解きながら答えようとした講演録である。人間にとって“象徴”がもつ意味を洗い直し、“超越”を通して現代に倫理を基礎づけようとする、喜びと安らぎへの語りかけ。
目次
第1章 善悪に報いる神は何処に―ユダヤ・キリスト教倫理の謎
第2章 いま信じるとは―現代の中のキリスト教
第3章 なぜ殺してはいけないか―命への驚き
第4章 「姦淫するなかれ」と現代―聖書の性の捉え方
第5章 「驚き」の復権―ギリシア・ヘブライ倫理の源泉を訪ねる
著者等紹介
関根清三[セキネセイゾウ]
1950(昭和25)年、東京に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科倫理学専攻博士課程修了。東京大学より博士(文学)、ミュンヘン大学よりDr.Theol。北海道大学文学部助教授などを経て、現在、東京大学文学部・大学院人文社会系研究科教授。専攻は倫理学、旧約聖書学
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