内容説明
カトリックの頂点に立つローマ教皇は、宗教上の指導者であるだけでなく、しばしば世俗君主として権勢を振るった。執務上のストレスや贅沢な食事などから高血圧や痛風を患った例も数多い。教皇ほどの権力者が健康を損なえば、その影響はいかに甚大であったか。毒殺説がささやかれる教皇は、誰にどのような毒を盛られたのだろうか―。現代に残された文献をもとに歴代教皇の病いと死を検証し、医学の発達の歴史をたどる。
目次
1 神の代理人たちの病いと死
2 教皇庁に渦巻く暗殺疑惑
3 女教皇ヨハンナ伝説
4 マラリアは「ローマの友だち」
5 黒死病の黙示録
6 コロンブスの年の輸血
7 教皇になった医者
著者等紹介
小長谷正明[コナガヤマサアキ]
1949年(昭和24年)、千葉県に生まれる。名古屋大学医学部卒業。名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。専攻、神経内科学。奈良県立医科大学講師、メリーランド大学客員講師を経て、現在、国立療養所鈴鹿病院神経内科医長、名古屋大学医学部併任講師。日本神経学会評議員、日本自律神経学会評議員、日本神経治療学会評議員、日本神経病理学会評議員ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぽぞう☆
16
んー。おっさんのダベリ聞いてるみたい。ペスト菌発見したの、北里柴三郎じゃないし。偏見に満ち満ちてるし。2017/02/09
こぽぞう☆
14
図書館本。三分の一くらい読むまで、再読に気がつがず。2017/12/22
中島直人
11
(図書館)検死録というより、著者のローマ教皇に関する随想録。徒然なるままに、古今の教皇達の死にまつわるエピソードが語られていく。2018/09/17
ヤマセミ
3
気楽に読める面白い本だった。ローマの友達がマラリアだったとは知らなかった。とても聖人とは呼べないような人が結構、教皇にたくさんいたのも驚き。医師が書いたという視点が中身を濃くしている。バチカンの歴史は謎で、とっつきにくかったのだが、入門編としてよかった。2017/11/22
ik
3
ローマ教皇の死因から中世~近世をみてみようというコンセプトが面白そうだったので購入。情報や判断の根拠にやや偏りを感じるけれども輸血等のトピックは面白かった2016/05/09