内容説明
コロンブスのアメリカ大陸到達は、世界史を大きく動かした。かつてない大洋横断を彼に決意させたのは「ジパング」の存在である。この極東の島にまつわる伝聞はムスリム・中国商人のネットワークで伝えられるうちに膨らみ、ヨーロッパでは「黄金島」という一大伝説となった。数百年にわたり生き続けた「ジパング伝説」を軸に、アジアのネットワークがいかにして「大航海時代」を準備したのかをダイナミックに描く。
目次
第1章 コロンブスとジパング伝説の宿命的な出会い
第2章 『東方見聞録』が描いた元寇と黄金島「ジパング」
第3章 アジアの第二次大航海時代とマルコ・ポーロの航跡
第4章 アジアの第一次大航海時代と「ワクワク」伝説
第5章 アメリカ征服の原動力となった黄金への欲望
第6章 北太平洋の濃霧に消えたジパング伝説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
34
2000年刊。面白い!黄金の国ジパングに纏わる歴史。以下は私の理解⚫︎アラビア〜インド〜中国の海上交易が5世紀には繁栄。欧州はペルシアやイスラムに阻まれる⚫︎9世紀にイスラム商人が黄金島ワクワクの伝説を生みジパング伝説の元となる⚫︎東方のキリスト教王プレスター・ジョンの伝説も探検者を後押しした⚫︎『東方見聞録』のジパングはコロンブスを強く刺激⚫︎コロンブスの提案をポルトガルとスペインの王は独断せず識者の委員会にて検討。王様は意外と賢い⚫︎ジパング伝説はユーラシアとアメリカの航路を発展させ、多くの血が流れた2025/09/30
シャル
10
ワクワク、ジパング、そして金銀島。ヨーロッパでその『日本』の幻像はどのようにして伝わり、想像されていたのかをその当時の世界の交易図などから探っていく一冊。あまりにも世界が広かった時代、情報は遠くに伝わる際にいかにして歪み、縮小し、そして幻想を帯びていったのか。そこには現代からは想像もつかない距離と、想像よりも遥かに多様な人種民族の混在する貿易都市群がある。ムスリムのネットワークを経由し、ヨーロッパと中国がかろうじて接続する中で、プレスター・ジョンとジパングが蜃気楼のように輝き熱狂を生むのが印象的である。2016/03/27
Empirestar
6
イスラム世界の台頭により、ヨーロッパ世界の人々は東方の強大なキリスト教の王プレスター・ジョンの伝説を信じその助けを求めたこと、黄金が無尽蔵に出るとされた伝説の島「ワクワク」(ジパング)の存在を求めて、冒険者たちが海の道を開拓したという話。イスラム教徒のネットワークは当時、絶大であり、世界的な交易ネットワークが出来上がっていたことを知る。特に元時代には、パックス・モンゴリアともいうべき状況が成立し、豊かな東洋に富を求めてヨーロッパ、イスラム圏の人々が海の道を開拓したという話で、大変面白かった。2014/02/09
からすとうさぎ
3
俯瞰的な視点を提供するシステムが確立していないと、情報はここまで遮断され、また歪曲される、その巨大なスケールの事例が面白い。距離という壁によって分断された諸世界が徐々に接続し、ひとつの世界になっていく過程も興味深い。ただ、コロンブスがジパングを目指していた、という話が状況証拠以外のどこを根拠にしてるのかは、ちょっと分からなかった。普通に文献があるのかな。2009/12/13
とったん
1
著者が専門の学者でないこともあり、教科書的な記述を集めてきてまとめた本という印象を受けた。東西の文明が出会うために歴史は長い期間を必要としたが、それは技術の問題ではなかったようだ。古代ペルシャ以来、ユーラシア中部の勢力は東西貿易が富の源泉だったため、意図的に人や情報の行き来を制限していた。それを乗り越える必要のあった西洋が大航海時代へ飛躍した、その流れを再確認した。2011/11/15
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