出版社内容情報
石川渓月[イシカワ ケイゲツ]
内容説明
渋谷駅から二駅目のほどほど大きな街。駅近くの路地の奥の、さらに奥にその店はある。暖簾をくぐれば、出汁のいい香りと性別不詳(?)の店主のちょっぴり辛口なもてなし、個性的であったかい常連たちが待っている。今夜も、人生の迷い子がひとり、この店に吸いこまれるようにやって来て…。ひと味もふた味も違う料理と人情に心温まる店、灯火亭へようこそ!
著者等紹介
石川渓月[イシカワケイゲツ]
1957年東京都出身。早稲田大学教育学部卒業。2011年に、第14回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した『煙が目にしみる』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
231
ミステリアスで妖艶さを漂わす店主、出てくる料理は自分でも作れそうな料理なんだけど、そこはお店でだされる料理!絶品で客の心情を察した気配りまできいている料理、食べたくなります。物語の世界とはいえ行きたくなる居酒屋さんですね。ついふらっと立ち寄りたくなるのは、お店の外観の雰囲気もいいのかなと、ついつい想像しちゃいます。常連さんも優しそうで、アットホームな感じ。悩みや不安のある方、愚痴を聴いてほしい方は、灯火亭に行くのをオススメします(笑)独特な感じのほっこりさが心地よいです。2017/04/16
タイ子
82
路地の奥の奥にあるちっちゃな居酒屋、ともしび亭。そこには仕事に疲れ、人生に迷う人たちがふと暖簾を目にして足を踏み入れる店。性別不詳の店主が出迎える料理と癒しと生きるヒントになる言葉が何よりのおもてなし。料理とお酒を基にした作品はいろいろあるけど、それらとはちょっと違って読めるのでこれもまた楽しい。お通しから料理まで出てくる料理が作ってみようかなと思わせるのもいい。肩の荷を下ろしたくなるお店っていいですね。続編も読みたくなります。2019/09/05
mr.lupin
60
都会の喧騒から外れた所にある居酒屋「灯火亭」の暖簾を潜れば、女装の女将と個性的なあったかい常連達が待っている。今夜も人生の迷い人がひとり、この店に吸い込まれるようにやって来て... とてもサラッと読みやすく月並みな感想になってしまうが、こんな居酒屋が近くにあったらたまらないだろうな。人生にちょっとだけ疲れた時に立ち寄ると癒されそうな店。店主のユウさんの過去はどんな事があったんだろう? 続編があれば読んでみたい。☆☆☆☆★2019/12/15
真理そら
59
広告代理店で働く亜海は女を武器にして仕事をとれ的な会社の姿勢に鬱々とした気分だったが、偶然居心地の良い居酒屋「灯火亭」を見つける。新しいプロジェクトを成功させてから会社をやめ灯火亭でバイトに雇われる。設定としてはありがちだけれど謎の多い女装の店主・ユウさんが魅力的で、亜海目線で物語が進んでいかないのが短編集として新鮮かも。2024/06/05
ぶんこ
52
著者初読みですが違和感はなし。料理上手な女装の女将さん。最近多い設定ですが、元自衛隊幹部候補生というのは珍しい。ふっと向けられた笑顔に心があったかくなるユウさんの笑顔。手をかけた料理が美味しそうで、悩みを抱えた人が、ふらっと入ってしまった小さな居酒屋さん。そこに常連客が多かったら、私は馴染めそうも無いけれど、それを忘れさせるユウさんの笑顔なのかもしれない。続編が楽しみです。2019/09/09