内容説明
痴呆性高齢者の数は全国で100万人を超え、誰もがこの新しい“隣人”と共存する時代となった。否定的なイメージで語られてきた痴呆性高齢者だが、じっくりつきあってみると、彼らは決して理解不可能な存在ではない。本書では、従来の病院に代わって、痴呆性高齢者の生活を積極的に支える場として注目されているグループホームがどのように活用されているのか、長期間の取材をもとにケアの実際を報告し、これからの課題を提示する。
目次
第1章 グループホームとの出会い
第2章 さまよえる痴呆老人たち
第3章 日常生活の中に役割を作るケア
第4章 グループホーム・ケアの特徴
第5章 「痴呆になったら本人は気楽」か
第6章 アルツハイマー型痴呆―行為を立て直すケア
第7章 痴呆のお年寄りを混乱させる建物
第8章 グループホームの課題
第9章 今までのシステムはなぜうまく機能しないのか
第10章 福祉と医療はどう協力できるか
終章 ヒーリングな体験
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
脳疣沼
1
もうずいぶん前(介護保険ができる前)の本で、あれから社会、高齢者福祉の現場は大分変わったが、なかなか鋭い洞察に溢れている。認知症をどう捉えればよいか考えるにはもってこいの本である。2024/10/01
きるきる
0
12年くらい前の本のためデータが古いので後半は流し読み。著者は、痴呆老人に寄り添って接すると、ゆったりしていて癒しになる、と結んでいる。(はは。・・・おむつを替える立場じゃない一取材者なら、ね。) 当時は、痴呆と言えば医療の分野で、精神病院に隔離して薬漬けだったけど、これからは薬は止め、介護で対応しようというもの。今現在、かなりこの本の通りに改善がなされていると思う。課題は、それからなんだよね。困ったよね。2010/01/29