内容説明
「子どもが可愛くない」、「子どもが分からない」という母親たち。果ては子どもを放置、虐待し、死に至らしめてしまう例も。いま、母性に異変が起きている。母性本能の解体や消失が、深いところで不気味に進行しているのである。この状況を前に、そもそも母性とは何なのか、なぜ解体、消失してしまうのか、そしていかにすれば修復できるのかを、母性に関する科学的・実証的研究の成果と、著者自らの心理療法の経験にもとづいて解明する。
目次
序章 壊れゆく母性
第1章 母性はいかなる意味で大切か
第2章 母性は普遍的である
第3章 母性解体の原因と対策
終章 母性を守る環境
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つたじゅん
5
おじいちゃんの語る母性。結局のところ母原病といいたいのか。保育園拡充が母性を損なう一因というのは、、みんなが復帰しやすい資格のある仕事につけるわけでもないのに。なにいってんだか。2016/02/22
のん@絵本童話専門
1
ちょうど『母性という神話』を読んだところだった。そうか、⬆︎の本はフェミニストのバイブルなのか。この本では母性は本能であり、その本能が社会や本人の考え方など様々な要因で阻害されているという主張。ややこじつけ感があるのは否めないが、神話、古代の偶像や絵画に母性が描かれているという主張には納得。育児書などに書かれていることを完璧にこなそうとするのではなく、中庸に、自分の頭で考えること。当たり前のことだがガチガチになりがちなのがお母さんだ。問題なのは今もこの時代からあまり変わってないということなんだな。2025/04/25
mizu
1
父性の復権を読んだので、合わせて読んでいみた。真っ当なな母性の解釈で、スッと読める本だった。読み手の価値観や立場によって、かなり評価は分かれるだろうと思う。20年経った現在では、より母親の心理的な問題も育てられた子どもたち抱える問題も深刻になっている。自分を振り返ってみると胸が痛いなあ。2019/10/30
こうじ
1
「父性の復権を」から3年後の1999年に発行された本。父性〜と同じような展開かと思いきや、そもそも母性というのは妊娠してお腹のなかに赤ちゃんがいるときから関係するものなので、かなり違う感じの本だった。ある意味では、子育て本のような感じ。母親から愛されなかった女性が、今度は自分が母親になっても、子どもを可愛がる方法がわからない…なんていう悪の循環が断ち切るためのヒントが書かれた本だと思いました。2015/10/06
Sayuri Abe
1
常々ひとヒネリある本と出逢えないかと期待しているが、本書の場合はそれも序章まで。以降は著者と意気投合?してしまい「そうだ!」と独り言を言いやしまいかと心中笑いながら読了。本書の出版から約20年、時代はまだ母性剥奪路線からの揺り戻しすらない。男女共同社会参画を推進する施策は今後も「気の毒な母」と「恵まれない子」を増やしていくだろう。現代は、世の中に流されず自ら考え判断できる賢い女性(対極の母性過剰は母親の自己中心性)だけが母になる資格に「手を伸ばせる」のかもしれない。地方自治体レベルで…何とかできませんか。2014/07/31