内容説明
毎年、夏の京都で華麗、豪壮に繰り広げられる祇園祭。その本源は、大都市住民が恐ろしい疫病罹災から免れるために催した祇園御霊会である。現在の祭りの中心は、町々の山鉾巡行に移っているが、神社を出発して、町の御旅所に遊幸する神輿渡御も重要である。二つの祭りが付かず離れず別個に進行する特異な祭りの成立と変遷をたどり、貴賤が参加し、都市の共同体を結成する人々の主体性が作り上げてきた信仰と祭りの事績を語る。
目次
第1章 祇園御霊会のはじまり
第2章 御旅所と神輿渡御
第3章 疫神の二面性
第4章 祭りを支えた人々
第5章 山鉾巡行の成立と展開
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽香
1
199906252014/03/10
千住林太郎
0
平安時代から室町時代にかけての祇園祭の変容をまとめた一冊。やや学術的な内容のため新書としては難解であったが、中世の祇園祭の性格を知るためには良い一冊だと考える。2014/07/10
katashin86
0
史料に基づいた専門学術的な本で、読み応え十分だった。 これまで京都の祭に対してもっていたイメージを改めて整理できたし、祇園社の祭神の素戔嗚への習合過程はたいへん興味深かった。2014/05/29
love_child_kyoto
0
京都の歴史、祇園祭の歴史2011/02/19
柚衣
0
祇園祭の復習に。歴史的背景と巡行の変遷についてが面白かった。新書は読みやすくて好きだなぁ@サイズ的に。2009/08/05