内容説明
皮膚は単にからだを包む革袋ではない。厚さわずか100分の二ミリの角層を最前線に、環境からからだをまもるための精緻な機能を備えた人体最大の器官なのだ。最も人目にふれる美的器官であり、重要な免疫器官でもある。機能の衰えは肌荒れ、シワを生む。水虫はカビの感染、イボでは腫瘍への免疫反応がおきる。調節異常は湿疹、アトピー性皮膚炎をひきおこす。美しい肌を保ち、健康なからだを維持するには?皮膚科学からの最新情報。
目次
第1章 防御器官としての皮膚
第2章 肌荒れと肌のおとろえ―美的器官としての皮膚
第3章 皮膚の炎症、免疫、色素沈着―外敵防御の仕組み
第4章 皮膚のアクセサリー―毛髪、爪、汗腺
第5章 治外法権の場への侵入者―水虫のカビへの免疫反応
第6章 消えるイボと消えないイボ―皮膚で見る腫瘍免疫と発癌
第7章 湿疹とじんましん―過剰な皮膚の免疫反応(1)
第8章 埃によるカブレ、アトピー性皮膚炎―過剰な皮膚の免疫反応(2)
第9章 自分自身に向けられた刃、自己免疫病と薬疹―過剰な皮膚の免疫反応(3)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぎゅう
5
速読したので細かいところまでは頭に入らなかったけれど、皮膚の原理を体系的におさらいできてよかった。感覚的にそうだと思っていたこと(乾燥させると菌が繁殖しない、荒れた肌に保湿を続けると回復したら保湿が必要なくなることなど)やアレルギーへの対処法などが書かれていて基本のケアに立ち返ろうと思いました。ただなぜアレルギーになるのかははっきりわからなかった。ステロイドは悪と思いこんでいたけど物は使い用。肌断食派だったけれど、やっぱり日焼けと保湿しっかりしようと思いました。あと、トレチノイン使おうと思います。2022/01/01
haru
2
★3/5 私には難しすぎて読み終わるのに2ヶ月近くかかった…。皮膚の異常を放置してはいけない、紫外線は皮膚ガンを引き起こすというのだけ覚えた。 お医者さんの仕事は本当に大変そうで多くを望むのは難しいと思うけど、自分じゃ何科に行けばいいかなんて分からないのに、専門医じゃないと何の病気か分からないって怖い。 古い本なので、ここに出てくる病気への治療法が少しでも進歩していることを願いたい。2020/09/30
ジュリ
1
肌にはセラミドを使うといいと思っていたけれど、セラミドだけ塗ってもバリア機能はそれほど回復しないらしい。肌には保湿成分を塗るとよいそうだ。2022/08/13
stroatman
1
専門的ながらも読みやすい。ステロイドの過剰使用でステロイド皮膚症が起きることを知れたことはよかった。ただ食べ物が皮膚の疾患に関連がないと言い切るのはどうかと思う。糖質のコントロールが出来てないと皮膚にも問題が起きやすいはず。 2019/08/26
かずら
1
皮膚の病気の本。文章が簡単で読みやすいのがいい。初歩的なことから書いてあるので医学に詳しくない私でもすんなり読めた。ところどころに挟まれる豆知識もためになった。欧米人は体臭がきついのか。収録されている写真はけっこうグロい……けどあとがきの、「美しい皮膚の病変」という言葉ははっとさせられた。不思議な世界である。ただ10年以上前の本なので、ちょっと情報は古くなっていると思われる。2013/05/25