中公新書<br> アメリカ職人の仕事史―マス・プロダクションへの軌跡

中公新書
アメリカ職人の仕事史―マス・プロダクションへの軌跡

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  • サイズ 新書判/ページ数 281p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121013286
  • NDC分類 502.53
  • Cコード C1222

内容説明

アメリカが後進国と見られていた時代、新大陸の職人たちは、自在な工夫で、世界に先例のない大量多種の大衆向け商品を提供する産業体制を作り出した。イギリス人を驚嘆させたアイディア製品、専用機を連続的に使った流れ作業による大量生産、大企業体制を実現する条件を満たした熟練技能の提供と雇用システム、熟練労働者を主体とするビジネス・ユニオニズムの伝統。本書は現代アメリカ工業社会に影響を与えた万能の職人たちの歴史を追う。

目次

序章 「自分の仕事をならったとおなじようにはやらない」
第1章 新大陸の開拓生活が生んだ万能職人
第2章 職人意識の形成
第3章 仕事場に機械をとりこむ
第4章 時計と小銃
第5章 ヨーロッパにあらわれたメイド・イン・アメリカ
第6章 大工場ではたらく職人
終章 アメリカ職人史がおしえること

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

富士さん

2
職人という言葉は、どうも独立とか自由とかロマンティックなイメージが先行しすぎているような気がしていました。技術に誇りを持って自主的に働き、上司にも取引先にもはっきりものを言い、それでも一目置かれていた”サラリーマン”が、いっしょに働いていた人の中にもいました。これを職人と呼べないのは、何が違う気がしていたのです。アメリカ的大量生産体制を生み出した前提としての職人概念を提示する本書は、組織に所属しているから労働者という安易な切り口ではなく、人の在り方としての職人概念を実証的に示してくれる超名著だと思います。2020/05/20

おらひらお

1
1996年初版。予想した以上に面白い一冊でした。19世紀のアメリカの生産システムには機械的な労働手段と消費財産業の独特の高度な発展があり、それが20世紀の大産業の成立の原動力になったそうです。歴史書としても有用ですね。2013/02/08

印度 洋一郎

0
「職人」といえば、伝統の匠の技を持つ気難しい人々というイメージが浮かぶが、アメリカの「職人」はそうではなかった。独立以前の植民地時代から、ヨーロッパに比べると全てが足りない中で過酷な自然に立ち向かう暮らしが生んだ、「手に入るものを改良し続ける」創意工夫に溢れたアメリカの職人の誕生から、20世紀の大工業国へと至る道筋を見る。金属加工技術が乏しければ、木材を加工して、精密な時計や家具を作り、アメリカらしい特許の訴訟合戦は意外にも技術情報の広範囲な共有を生む。新しい技術にも貪欲な姿勢はやがて工業化へと続いていく2025/03/22

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