中公新書<br> 身ぶりとしぐさの人類学―身体がしめす社会の記憶

中公新書
身ぶりとしぐさの人類学―身体がしめす社会の記憶

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  • サイズ 新書判/ページ数 225p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121013118
  • NDC分類 801.9
  • Cコード C1239

内容説明

人の身ぶりやしぐさはたいへん多様であるが、歴史にもまれながら形づくられてきた集団ごとの共通性もまた多い。ひとつひとつの動作、表情には長い社会的文化的経験が凝縮されているのである。しかし、そのように伝承されてきた無言の身体的知識は、情報化や技術革新の高波のなかで、今日、一挙に忘れ去られようとしている。本書は、世界各地で観察された身体伝承を記録し、その文脈を探り、変容の方向を示唆しようとする試みである。

目次

1 歩行とディスプレイ
2 接触人間と非接触人間
3 お辞儀と握手
4 自己演技と表情
5 ホンモノへのこだわり
6 Vサインの図像学
7 親指の主張
8 しぐさの逸脱

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紙狸

9
1996年刊行。新型コロナの流行によって、人との距離を意識するようになり、ソーシャルディスタンスがスローガンのようになっている。この本で、人と人との位置関係は、単なる距離だけではない、様々なバリエーションがあることが分かった。空間的上下関係も重要。そういえば自分も職場で座っている時、近づいてきた誰かに話しかけられた場合、少し長くなりそうだったら立ち上がって水平の位置関係を作ろうとする。失礼がないようにという配慮が働くのか・・・といった風に、自分の生活にひきつけて読めるので面白かった。2020/12/05

tama

7
図書館本 言葉が通じない同士が意思を通じさせ、それによりお互いの言語に影響を与え合うという「日本語」の形成を考えたかったので。ただ、いろんなエピソードがなかなか面白かったです。し尿の屎はウンコって知らなかった!「欧州の女性は帽子を脱いではならなかった」「レジで行列するのは(社会が)工業社会的性格だから。」男泣きは外国人には奇妙に映るらしいが、私だってある年下の男が自分の結婚式で泣いたときは奇妙に感じたよ。日本人の男が結婚式でよく泣くのは「純粋な自分」を表現しようとしたイタイ例ではないかと思うけどな。2016/12/22

aoi

5
歩き方一つにとっても、 日本人とヨーロッパ人の比較や、時代による比較など多岐に渡って書かれていました。 ただ“身振りとしぐさの人類学”を大きくとらえていくというより、深い雑学ネタのような書き方という印象。 それだけに、私でもとても面白く読めました。 Vサインとピースの歴史、握手、手振りなどなど・・ 2012/11/17

ゆき

3
文化や習慣や時代や性別などによって起こる身ぶりとしぐさについて解説。最近の人の歩く音が異様にドスドスと聞こえるのは、草履から靴の習慣になって久しい日本人の歩き方が踵着地へと変化してきたためかと納得した。行列や握手に関するしぐさが面白かった。感情や記憶にまで波及する非言語はやはり奥が深い。[内容]1.歩行とディスプレイ 2.接触人間と非接触人間 3.お辞儀と握手 4.自己演技と表情 5.ホンモノへのこだわり 6.Vサインの図像学 7.親指の主張 8.しぐさの逸脱2016/02/07

すがし

3
「上方女の立ち小便」から始まって、日常の細かなしぐさがいかに文化によって規定され、一方で「背を向ける」「指差す」などの動作がいかに普遍的な意味づけをなされているかを読み解いていく。中央公論の連載をまとめたものであるため全体を貫く主張のようなものはあまりないが、各論が異様に面白い。人権思想が良くも悪くも徹底していると見られているアメリカでは、「握手」の仕方からして男女が截然と区別されている。さらに「女性・子供・障害者」は「幸せな笑顔」を浮かべることを義務付けられるというのは実に衝撃的ですらある。名著。2012/11/08

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