内容説明
日中戦争のさ中、一九三六年十二月十二日、国民党委員長の蒋介石に対し張学良と楊虎城が「兵諌」をもって、内戦の即時停止と挙国抗日を要求した西安事変はなぜおこったか。この年二月、日本では「二・二六」事件、七月、スペインでは内戦勃発、十二月、西安事変と世界を振撼させた事件が相継ぐ。本書は、僅か二週間で終息した事変が国共合作による抗日民族統一戦線へ道を開き、日中戦争に一大転機をもたらした西安事変の全貌を描く。
目次
第1章 満州事変後の中国、日本、ヨーロッパ
第2章 西安事変前夜の蒋介石と張学良・楊虎城
第3章 西安事変の勃発
第4章 周恩来の登場と蒋介石の釈放
第5章 反乱のなかの反乱
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はちこう
9
張学良の東北軍と楊虎城の十七路軍による蒋介石に対する「兵諫」は映画さながらのスリリングさ。なぜ学良は蒋介石を釈放する時、一緒に南京に行ってしまったのだろう。南京に到着したら、蒋の性格からして軟禁されることは予想できたはず。蒋と宋美齢の方が一枚上手だったということか。翌年の盧溝橋事件をきっかけに国共合作は実現するものの、東北軍は崩壊、楊は殺害されるのだから「兵諫」は失敗だったのだ。でも共産党を救った学良と楊は中国で「千古功臣」と讃えられているとのこと。中国の近代史は複雑だ。2022/12/18
おらひらお
3
1995年初版。西安事件というと張学良ですが、楊虎城も大事な役割を果たしています。事件後の二人の運命が大きく異なりますが・・・。また、中国共産党もこの事件をきっかけに存続できたとも言われています。もちろん、日本の中国への圧力がなければ事件は起きなかったと想定されています。2011/08/29
dogu
1
西安事件の発生とその経過2021/10/18
ぐちーず
0
あまり経緯を知ることが無かった西安事件、その動向と周りの思惑などが詳細に書かれています。抗日の過程と東北軍の没落と紅軍の浮上、二二六事件の影響等その背景も興味深く読めました。2011/09/13
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