内容説明
GNP世界第二位を誇る日本がいまひとつ生活の豊かさを感じえない原因に内外価格差の存在がある。そしてこれはカルテル、保護主義、規制といった日本市場の歪みに起因する現象として海外の批判を浴びている。様々な規制を緩和することによって市場メカニズムを甦らせ、内外価格差を縮小することはいまや日本の政策目標であるが、それは厳しい競争社会への参入を意味することでもある。経済行政の現場体験を通して日本の課題を考える。
目次
第1章 内外価格差問題の経緯
第2章 内外価格差の実態
第3章 内外価格差是正の効果
第4章 知られざる公共料金の世界
第5章 消費者の自由な選択をめざして
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
47
このような経緯があってTPPに結び付いた、という過去を知っておくにはよい本。2015/12/27
Naota_t
0
日本の現状やアメリカと日本の独占禁止法の違いは、著者が引用している辻村江太郎氏の『仲良しクラブ』という表現がすごくしっくりくる。 コメの内外格差で読んでいて思い出したけれど、東日本大震災時に漁港が大きな被害を蒙って特別な支援云々というニュースを見た時に、「別に被害を受けたのはそこだけではないのに何かズルい」ということだった。 生活できなくなっているのは、他にもたくさんいるわけだし、その職業が政治的つながりの強弱が左右しているこれも『仲良しクラブ』の一例だと思った。 2012/09/12