中公新書<br> コメ食の民族誌―ネパール・雲南と日本

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中公新書
コメ食の民族誌―ネパール・雲南と日本

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  • サイズ 新書判/ページ数 180p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011176
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C1225

内容説明

ネパール―雲南―日本を結んでコメ食を基盤とする生活と文化が成立した。豆類、雑穀からコメへ。主食の変化は食生活のみならず栽培植物の品種、栽培技術、宗教儀礼、生活様式、さらには社会構造と深く関わっている。コメ食はネパール、雲南の各民族にどう滲透し、影響を与えているのか。植物学者と社会学者の共同作業によりシェルパ族、グルン族、徳宏タイ族等それぞれの対応を日本と比較検討、コメ文化の伝播とその逆流の意味を問う。

目次

1 ツァンパかコメか―シェルパ族の食卓
2 陸稲への執着―焼畑を続けるプーラン族
3 黒米・赤米との出会い―グルカ兵の故郷で
4 コメとカレーの日々―カトマンズ盆地の千枚田
5 紫のモチ米と多様な副食―水田耕作の恵み
6 奇跡のハイブリッド米―近代化をめざして
7 日本の稲作とコメ食―北国にみるコメの歴史
8 民族のコメをめぐって―まとめの対談

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てくてく

4
発行は1993年であるにもかかわらず、だからこそ調査しえたネパールや雲南と日本の、コメ文化についてまとめられており、楽しかった。観光地化されすぎていない時点での状況が描写されている点が興味深かった。また、ある程度高度では稲作が不可能であり、従来はコメ食の習慣がなかったにもかかわらず、シェルバとして現金を獲得し、あるいは外国人観光客の食生活に親しみ、コメ食に執着するようになったことあたりが特に面白かった。2016/07/15

wei xian tiang

3
面白い。我が国では米食離れが嘆かれて久しいが、視野を広げれば米、殊にジャポニカ粳米はネパールで大麦粉食文化を脅かし、雲南徳宏では餅米食を代替しつつある、かなりの攻勢にある食文化である由。本書では扱われていないが、確か太平洋地域でもタロイモ文化圏にも相当侵食し、澱粉を取るまでひちめんどくさいサゴ椰子食も脅かしつつあると読んだ気がする。2014/08/13

shouga123

1
イネの栽培ができない高地に住んでるネパールのグルン族が7、800メートル降りてきてイネを栽培しているとか、寒冷地で栽培できないと思われてた北海道で品種改良を重ねてまでコメにこだわったのかというのはコメが美味しいからというところに要因するというのはなかなか面白かった2020/05/10

silk

0
ネパール・雲南のコメ食の在り方を、筆者らの現地調査の成果から言及する。一見無駄だと見える行為に見えても、そこには経験則からくる意味があり、本人たちからすれば当たり前のものであることがわかる。なぜ米を栽培するのかの根源はコメの美味しさからくるというのは、米を食べ続けていることからも頷ける。2013/10/20

fut573

0
再読。資料として。もう15年以上前の本だが、やっぱり読んでいて面白い。巻末の参考図書の質が高い2009/05/29

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